富山発、優良無花粉スギの普及へ~花粉症対策と豊かな森づくりを目指して~
今や国民病とまで呼ばれるスギ花粉症。花粉症対策として、スギ林からの花粉飛散量をどのようにして少なくできるかが緊急の課題となっています。本県では全国に先駆けて、花粉がなく、花粉を飛ばさない「無花粉スギ」の種子による量産技術を確立し、咋秋には無花粉スギを本格的に山林に植栽し、普及に向けた取組をスタートさせました。
富山県農林水産総合技術センター森林研究所では、平成4年に花粉飛散の調査中、富山市内の神社で無花粉スギ(タテヤマスギの突然変異体)を全国で初めて発見しました。その後の研究で、無花粉になる性質の遺伝様式を解明し、無花粉スギの品種開発に取り組んできました。生長、形質共に優れた精英樹と人工交配することで、精英樹の性質を持った初期生長及び雪害抵抗に優れた「優良無花粉スギ」を開発し、種子から大量に生産する技術を確立しました。
優良無花粉スギの愛称は「立山森の輝き」です。全国858件の公募の中から、"無花粉であり、木材としても優れていることや、富山県の品種であることがイメージできる愛称"として決定されました。
県では新たな森づくりの取組として、花粉の発生源となっているスギ人工林の伐採跡地に「立山森の輝き」を植栽するのに要する経費を補助するなどの支援を行い、優良無花粉スギの普及を進めています。
山林での本格的な無花粉スギの植栽は全国でも初めての試みで、3月までに県内6ヵ所で約5,000本の苗が植栽される予定です。こうした無花粉スギの植栽が進めば、少しずつですが、県内のスギ花粉の飛散量が軽減されます。花粉症に悩む人を少しでも減らすとともに豊かな森づくりにつなげていきたいと考えています。
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富山県農林水産部森林政策課
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