陸奥宗光シンポジウムの開催について
和歌山県では、松下幸之助、華岡青洲、南方熊楠を始めとする郷土に縁のある偉人の功績を顕彰するシンポジウム等を毎年開催しています。本年度は、平成24年12月1日(土曜日)に明治大学アカデミーホールにおいて和歌山県の偉人「陸奥宗光」を顕彰するシンポジウムとして、「外務大臣就任120周年記念 陸奥宗光シンポジウム~和歌山県(紀州藩)が生んだカミソリ大臣、陸奥宗光と日本外交~」を開催したところ、約800名の参加者があり、大盛況に終えることができました。
陸奥は、日清戦争と独仏露の三国干渉への対応や不平等条約の撤廃に辣腕をふるい、日本の外交の礎を築きました。また、徴兵制や地租改正等の新制度を取り入れるなど、近代日本の原点の構築にも尽力しました。
本シンポジウムの開催に当たっては、まず、陸奥宗光の縁者に当たるNPO法人岡崎研究所理事長・所長の岡崎久彦氏から基調講演として、陸奥に係る幅広い知見に基づく、大変興味深い話を披露いただきました。次に、パネルディスカッションでは、パネリストの政策研究大学院大学の北岡伸一教授及び明治大学特別招聘教授(東京大学名誉教授)の御厨貴教授から陸奥の外交手腕と明治期の国内・国際情勢についての鋭い分析を、元NHKアナウンサーである松平定知氏から聴衆を引き込む語り口調で社交界の華と謳われた陸奥の夫人・亮子について、外務省軍縮不拡散・科学部長の北野充氏から最前線におられる現役の外交官として陸奥の仕事力について、それぞれ語っていただきました。また、仁坂吉伸和歌山県知事からは陸奥を輩出した明治維新期の紀州藩について話をしました。
本シンポジウムは、和歌山県が生んだ偉人「陸奥宗光」の顕彰という一面もありますが、未曾有の国難の時代に生きる我々が、国を思う明治期の偉人の生き様に思いを馳せ、日本国民としての自信と誇りを取り戻すきっかけとなったのではないでしょうか。なお、本シンポジウムを是非とも陸奥の郷土和歌山でも開催して欲しいとの声があり、本年2月16日(土曜日)に和歌山市内でも開催します。