増田「内蔵」のある町~発見された観光資源
"蛍町"と呼ばれた町
日本有数の豪雪地帯である秋田県横手市。その東南部に位置する増田は江戸時代から物資の集散地として栄え、さらに明治に入ると、電気会社や陶器会社、銀行の創設、鉱山の増産などによって、商業活動を大きく活発化させました。
その舞台となり、当時の繁栄を今に伝えるのが中七日町通りの商家建築群です。通りは、10mほどの間口に奥行が90~180mもある短冊形の地割に、細部まで個性的な意匠を凝らした大型の主屋や「内蔵」等の土蔵が建ち並んでいます。
「内蔵」が類を見ないのは、家の中に建てられていること、蔵の中に商人たちが贅を競い合ったにもかかわらず、家族以外の立入を制限した奧座敷があることです。そのため、2008年に調査が行われるまではベールに包まれたままでした。現在では、約400mの通り沿いに45棟の「内蔵」が確認されています。
重伝建への選定申請と新たな観光流動の実現
商業看板の陰に潜み、人びとの目に触れることのなかった内蔵や建築様式・技術の価値が近年、広く知られるようになり、毎年10月の「蔵の日」を始め、増田には多くの観光客が訪れるようになりました。
横手市では、年内には増田の街並みを「重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)」に選定するよう国に申請、適用される補助事業等を活用し、往時の建物や景観への修理・修景を進め、朝市の充実などとも併せ、通年観光に向けた目玉としたいとしています。
また、当県の「重伝建」には年間200万人の観光客を誘う角館がありますが、増田と角館の距離は50kmしかなく、増田が選定されれば、同様のコンセプトを持つ地区が連続することとなります。県としても、着地側の魅力向上に加え、県内関係機関・団体のほか、近県等とも連携し、新たな観光動線の形成のための支援を積極的に展開していきたいと考えております。
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秋田県観光振興課
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