「生誕100年 松田正平展 悠久の周防灘」を開催中

 山口県ゆかりの洋画家、故松田正平さんが生誕100年を迎えたのを記念して、山口県立美術館では、5月26日まで、特別展「生誕100年 松田正平展悠久の周防灘」を開催中です。
 松田正平(1913-2004)は、島根県で生まれ、1920年に現在の山口県宇部市の松田家の養子となりました。1932年に東京美術学校(現在の東京藝術大学)に入学、西洋画科を1937年に卒業後、地元宇部の有志たちの支援で、パリに留学して油絵を学びました。2年間のパリ留学で油絵の奥深さを肌で感じた松田は、帰国後、日本人ならではの感性によって油絵具の特性を生かすことを生涯の課題としました。1984年、その「自在で新鮮な油彩の世界がもつ魅力」が高く評価され、第16回日本芸術大賞を受賞します。1995年には宇部市に戻って制作を続け、2000年には文化功労者文部大臣表彰、2002年には文化庁長官表彰を受けました。
 今回の展覧会では、初期から最晩年までの油彩画101点を紹介し、松田の変遷をたどります。独自の表現を模索しながら少しずつ画風を変えていった松田は、愛犬や手塩に掛けて育てたバラなど身近なモチーフを繰り返し描きました。中でも瀬戸内の穏やかな海を描いた「周防灘」のシリーズは画家の代名詞となっています。ひょうひょうとした独特の線と透明感あふれる色彩が織りなす画面には、柔らかい光を水面に映す悠久の周防灘が広がっています。
 山口県宇部に育まれ、周防灘を愛した画家、松田正平の世界を是非、御堪能ください。


お問合せ
山口県立美術館
電話番号083-925-7788
HP http://www.yma-web.jp/exhibition/

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