「長崎の教会群」を世界遺産へ
長崎でのキリスト教の歴史は1550年に宣教師フランシスコ・ザビエルが平戸に上陸したことからはじまります。一時は「日本の小ローマ」と言われるまでの繁栄を見せた長崎。その後の厳しい弾圧により、宣教師や信徒は迫害を受け、教会も全て破壊されてしまいます。それでも、信徒たちは表向き仏教徒を装いながら、命がけで信仰を守り伝えました。
開国後、再布教のために来日したプチジャン神父と出会った浦上の信徒が信仰を告白したのは1865年のことです。弾圧に耐え、250年もの長きに及ぶ辛く苦しい中、信仰を失わなかった信徒の命がけの告白でした。これが「信徒発見」です。
当時のヨーロッパを驚愕させたこの事実は、世界宗教史上の奇跡とされています。
明治初期に禁教が解かれると、各地の信徒たちによって、西洋と日本の建築技法や文化が見事に融合した教会が数多く建てられます。信徒たちが弾圧を避けて潜伏し、信仰を守り続けていた地に建つ教会は、自らの財産と労力を捧げた信仰の証です。また、その風景は農漁業を生業として造り上げた集落景観と一体となって、優れた文化的景観を形成しています。
壮大なキリスト教の歴史を浮き彫りにする「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」。長崎県などは、この世界に類を見ない貴重な財産を守り伝えていくため、信徒発見から150周年となる平成27年の世界遺産登録を目指しています。
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長崎県世界遺産登録推進室
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