郷土の魅力を世界に発信――「高校生のためのふるさと富山」発刊

 富山県教育委員会は、高校生を対象とする郷土史・日本史学習の補助教材「高校生のためのふるさと富山」を発刊しました。有識者懇談会の提言を踏まえ、平成21年度から補助教材の作成に取り掛かり、3年の試行を経て置県130年にあたる今年度、全ての県立高校の1年生に配布し、郷土史・日本史学習が本格的にスタートしました。
 国際社会で自らの未来を切り拓く力を身に付け、郷土の魅力を全国や世界へ発信する力を育てるのがねらいで、「世界史」、「現代社会」等の科目と関連付け、総合的な理解を深めることができる内容となっています。
 第一部では、富山の歴史を、原始・古代から近世までのあゆみと明治維新以降に進められた近代化のあゆみに分けて紹介しています。富山の自然環境と人びとの生活との関わり、特産品が生みだされた経緯、治水・利水事業をとおして富山が日本に与えた影響などから、越中に生きる人びとのねばり強さや勤勉さを学ぶことができます。
 第二部では、環境に配慮した立山黒部アルペンルート、イタイイタイ病の歴史と教訓を後世に伝える取組などの先駆的な事例や、国際貢献に関する未来志向の活動を紹介し、国際化の流れの中でふるさとに関する思索を深めること、富山県民としての自覚と誇りをもち、富山の良さを多くの人びとに発信することを提起しています。
 試行段階においても、生徒が、郷土の出来事や人物が世界の動きと深く結びついていることに興味を示したり、また、富山について初めて知ることもあり、新鮮な驚きをもって受けとめているなど成果を上げています。
 グローバル化が進む中、富山県や日本の歴史や文化、伝統に対する理解を深め、ふるさとや自国への愛着や誇りを育む教育がますます重要になっています。今後とも「高校生のためのふるさと富山」を活用して郷土史・日本史学習を進めていきたいと考えています。

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富山県教育委員会県立学校課
電話番号076-444-3450

ふるさと富山