第39回全国育樹祭の開催県に決定

 8月9日の公益社団法人国土緑化推進機構理事会において、平成27年秋に開催される「第39回全国育樹祭」の開催県が岐阜県に決定しました。
全国育樹祭は、国土緑化運動の一環として、活力ある緑の造成機運を高め、次世代への連帯を深めることを目的として昭和52年から行われている行事であり、岐阜県では初めての開催になります。

全国育樹祭のきっかけは岐阜県

全国育樹祭の始まりには、岐阜県が国土緑化推進委員会と共催により昭和51年11月に開催した「全国育林祭」が大きな役割を占めています。
当時は、戦後植樹した人工林の大部分が最も人出を要する過程にあったものの、労働力不足、資金事情等のために、保育作業が十分ではありませんでした。このため、国土緑化運動推進の上からも育林(下刈り、除伐、枝打ち、病害虫防除等)の重要性が強く認識されていました。
そこで、当時の平野三郎岐阜県知事が強く要望し、岐阜県、国土緑化推進委員会、林野庁の三者で検討され、全国育林祭の開催に至りました。

■全国育林祭の趣旨
 現代社会は人間関係や、職場環境、人の和、協調など、いわゆる横の関係が強く要求されているが、反面、核家族問題をはじめとして、親と子や教師と生徒の断絶といったような、いわゆる縦の連携が弱められている。これを是正するためには、林業以外にない。林業は親が植え、その子供が育て、孫が切り、そして植えて返すものである。そこで、植樹行事ならびに国土緑化大会で天皇皇后両陛下がお手植えされた木を皇太子殿下にお手入れをしていただき、育林・育樹の範を示していただこう。
※国土緑化運動五十年史(公益社団法人国土緑化推進機構 編)から抜粋

そして、全国育林祭はその翌年、名称を「全国育樹祭」とし、皇太子殿下の御臨席を仰いで大分県で第1回が開催されました。
言わば岐阜県は第0回全国育樹祭の開催県と言えます。

森の恵みをつなぐ、森の恵みを守る人づくり

本県では、昭和32年に第8回全国植樹行事並びに国土緑化大会(全国植樹祭)を開催し、県土の保全と林業の活性化のため、豊かな森林を造り上げることに努めてきました。
また、平成18年には第57回全国植樹祭を開催し、「植えて、育てる」そして「伐って、利用する」という資源循環型の「生きた森林づくり」の実現に向け、森林施策の推進を図ってきました。
さらに、平成24年4月には、豊かな森林と清流を県民全体で支えていくための「清流の国ぎふ森林・環境税」を導入し、環境を重視した森林を守って生かす「恵みの森林づくり」の取組もスタートさせたところです。
県土の8割を占める豊かな森林と、それを源とする清流が織りなす豊かな自然を次世代に確実に引き継いでいくためにも、これら「森林づくり」の取組は極めて重要なことです。
この度の決定を受けて、第39回全国育樹祭を、豊かな森林を守り、森林づくりのノウハウ、知恵、技術などを次の世代につなげていく契機にしたいと考えています。

全国育林祭