濱口梧陵シンポジウムの開催について

 10月26日、東京都千代田区の明治大学において「和歌山県が生んだ津波防災の先覚者 濱口梧陵シンポジウム これからの津波防災~稲むらの火~の教えから学ぶ」が開催されました。
 和歌山県では、松下幸之助、華岡青洲、南方熊楠、陸奥宗光を始めとする、郷土に縁のある偉人の功績を顕彰するシンポジウムを毎年開催しています。
 今年のシンポジウムで取り上げた濱口梧陵は、安政の大地震による津波の際、稲むら(稲束を積み重ねたもの)に火を放ち、この火を目印に村人を避難させた人物です。彼の功績は「稲むらの火」の故事として広く知られ、現代に通じる津波防災の象徴とされています。一昨年には、津波対策の推進に関する法律により、「稲むらの火」の故事に因んで11月5日が「津波防災の日」に制定されたところです。
 本シンポジウムは、和歌山県と明治大学が主催、内閣府共催により開催し、梧陵の人物顕彰と共に津波の予防啓発も行いました。また、梧陵の御子孫が今も経営するヤマサ醤油株式会社から、「稲むらの火」という特製醤
油を来場者に提供していただきました。
 第1部では、関西大学社会安全研究センター長・教授の河田惠昭氏から基調講演をしていただきました。南海トラフを震源とする巨大地震は避けられない運命にあり、沿岸に住む人は地震が起これば身一つで高台に逃げることが重要であることを、梧陵が高台へ村人を導いた教訓から強調されました。
 第2部のパネルディスカッションは、河田氏にコーディネーターを務めていただき、俳優の石丸謙二郎氏、作家の大下英治氏、明治大学特任教授で日本災害復興学会会長の中林一樹氏、仁坂知事がパネリストとなって行いました。
 石丸氏は、ドラマ「JIN(仁)」で梧陵役を演じた経験などを話され、梧陵は映画化するに相応しい人物と話されました。大下氏は、本年「津波救国〈稲むらの火〉濱口梧陵伝」を執筆され、津波の後の復興事業を中心に、梧陵の人生全般に亘って紹介されました。中林氏は、梧陵の行動が、津波だけでなくあらゆる災害から命を守る基本であることを話されました。仁坂知事は、梧陵の功績は津波防災だけでなく、医療や教育の振興など幅広いこと、一昨年の紀伊半島大水害からの復興で、梧陵の教えが生かされたことを話しました。
 梧陵の人物を詳しく顕彰するとともに、津波には逃げるという基本を再確認してシンポジウムを終えました。

濱口梧陵シンポジウム