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タイトル | 大学との連携による鳥獣被害対策 |
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施策・事業名称 | 「野生動物対策推進に関する包括連携協定」に基づく総合的な被害対策 |
都道府県名 | 群馬県 |
分野 | 農林水産 |
事業実施期間 | 平成21年6月24日~令和6年6月23日 |
施策のポイント | 群馬県では野生鳥獣による農産物の被害が年々深刻化していたことから、被害対策をより一層強化するため、全国的にも実績のある大学と「野生動物対策推進に関する包括連携協定」を締結し、大学のノウハウを活用した効果的・効率的な地域ぐるみ被害対策に取り組むことによって、被害の軽減を図ります。 |
内容 |
<背景・経緯> 群馬県では野生鳥獣による農産物の被害が年々深刻化していたことから、被害対策を強化するため、以前から本県内をフィールドとして野生動物の調査研究を行っており、全国的にも実績のある日本獣医生命科学大学と、平成21年6月に「野生動物対策推進に関する包括連携協定」を締結し、大学のノウハウを活用した被害対策に取り組んでいます。 平成22年には「群馬県鳥獣被害対策支援センター」を新設し、日本獣医生命科学大学と連携して「技術普及」、「人材育成」、「調査研究」に取り組むとともに、地域ぐるみの被害対策を支援し、現場対応力の強化を進めてきました。 更に、平成24年7月には、日本獣医生命科学大学の活動拠点「群馬ステーション」を県鳥獣被害対策支援センターに併設し、同大学とより一層の連携強化を図り、地域に密着した調査・研究などに取り組んでいます。 <目的・ねらい> 群馬県と大学が包括的な連携のもとに相互に協力し、県の野生動物対策に係わる専門的な人材の育成と大学の野生動物に係わる教育研究活動の円滑な推進を図り、もって人と野生動物との共生の道を探り、地域の農林水産業の振興や自然環境の保全に資することを目的としています。 <事業の概要> 【ステップ1】 [H21~23:実績] 「大学の持つ基礎的な被害対策手法の導入等」 ア 人材育成 県・市町村職員等を対象として野生動物の基礎知識やその被害対策技術の研修を実施 イ 調査研究 ニホンザル等生息・被害状況調査及び対策方法の検証 ウ 被害対策 現地の被害対策について指導・助言を行い、効果的な対策を提案 【ステップ2】 [H24~26:実績] 「大学の調査研究機能の活用」 ア 人材育成 高度専門技術者、及び地域リーダーの育成 イ 調査研究 特定鳥獣被害対策調査分析による新たな対策技術の開発 [群馬県と日本獣医生命科学大学が新たに取り組む共同研究テーマ] ・新たなニホンザル群れ管理技術の開発 ・里グマ出没メカニズムの解明 ・大型野生鳥獣(イノシシ、カモシカ)の農地侵入行動の解明 ・カモシカ等による被害発生メカニズムの解明 など ウ 被害対策 科学的調査等に基づく被害対策手法の導入 【ステップ3】 [H27~29:実績] 「大学の調査研究機能の継続活用」 ア 人材育成 地域リーダー、被害対策指導者、専門技術者の育成 イ 調査研究 特定鳥獣被害対策調査分析による新たな対策技術の開発 [群馬県と日本獣医生命科学大学が新たに取り組む共同研究テーマ] ・簡易的調査に基づくニホンジカ分布状況調査技術の開発 ・ニホンザルの広域管理技術の開発 ・外来動物(アライグマ)の早期被害防止対策技術の開発 ウ 被害対策 科学的調査等に基づく被害対策手法の導入 【ステップ4】 [H30~R2:実績] 「大学の調査研究機能の継続活用」 ア 人材育成 地域リーダー、被害対策指導者、専門技術者の育成 イ 調査研究 特定鳥獣被害対策調査分析による新たな被害対策技術の開発 [群馬県と日本獣医生命科学大学が新たに取り組む共同研究テーマ] 今までの対策手法や対策技術の開発を地域の被害対策に活かすため、現地対応の強化に取り組みます。 ・ニホンザル広域管理技術の現地適応と対策効果判定 ・都市近郊における獣類の捕獲対策の検証と感染症リスク評価 ・市街地における野生動物の出没対応のための体制構築 ウ 被害対策 科学的調査等に基づく被害対策手法の導入 【ステップ5】 [R3~R5:計画] 「大学の調査研究機能の継続活用」 ア 人材育成 地域リーダー、被害対策指導者、専門技術者の育成 イ 調査研究 特定鳥獣被害対策調査分析による新たな被害対策技術の開発 [群馬県と日本獣医生命科学大学が新たに取り組む共同研究テーマ] 安心・安全な農作業のための野生動物対策(感染症・クマ)) ・野生動物、媒介生物(ダニ類)の出没情報、動物及びダニ類の持つ病 原体情報等からのリスク評価 ・圃場におけるクマと人の活動範囲から見る被害対策の検討 ウ 被害対策 科学的調査等に基づく被害対策手法の導入 <実績・効果> (1)大学の専門カリキュラムを活用した人材育成 「鳥獣被害対策基礎研修」及び「鳥獣被害対策指導者実技研修」を実施し、平成25年度までに延べ2,389人の被害対策の担い手を育成しました。平成26年度からは「地域リーダー育成研修」、「地域対策指導者育成研修」、「高度専門技術者育成研修」に改組・充実させ、さらに延べ3,110人の担い手を育成しました。 また、平成30年度からは、「市街地出没対応研修」として、野生鳥獣が市街地に出没した時の対応について実践的な研修を実施し、延べ326人が受講しました。 (2)サル個体群管理手法の確立 現地で捕獲や追い払いなど、加害する群れをコントロールする管理手法を実証し、サル被害地域でその手法が導入されています。また、平成30年3月に「群馬県ニホンザル被害対策マニュアル」を作成し、対象となる群れに応じた対策を実施できるようにしています。 (3)地域ぐるみによる鳥獣被害対策手法の確立 平成22年度から、住民の合意形成や集落環境診断など新たな対策手法を取り入れた、「鳥獣害に強い集落づくり支援事業」を実施し、令和4年度までに延べ134地域で取り組みました。 <今後の取組> 依然として、野生動物による被害は拡大傾向にあり、シカによる被害地域の拡大、都市近郊に出没する獣類による被害等が問題となっています。また、被害対策に必要な知識、技術を習得するための研修を体系的に実施し、各地域で被害対策に取り組む人材を継続的に育成する必要があります。 このため、引き続き、県と大学が連携して「技術普及」、「人材育成」、「調査研究」に取り組むとともに、地域ぐるみの被害対策を支援し、現場対応力の強化を進めことで、地域や農業者が効果を実感できる被害対策を推進していきます。 |
関連 ホームページ |
http://www.pref.gunma.jp/06/f0900059.html |
http://www.pref.gunma.jp/07/p16210001.html | |
本件問合先 | 農政部技術支援課 |
027-226-3090 | |
shienka@pref.gunma.lg.jp |