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タイトル 五感指標を利用した湖沼環境モニター調査
施策・事業名称 宍道湖・中海「湖沼環境モニター」事業
都道府県名 島根県
分野 環境
内容 1.宍道湖・中海の概要
島根県東部に位置する宍道湖、島根県と鳥取県にまたがる中海はそれぞれ全国7位、5位の面積を有する湖で、淡水と海水が混じる汽水湖となっており、優れた景観を創り出すとともに、豊かな水産資源を育み、また、観光資源や野鳥の生息の場等として地域のかけがえのない財産となっており、その水質を保全することが重要な課題となっています。
宍道湖・中海の水質を保全するため、環境基準の設定、上乗せ排水基準の設定、湖沼水質保全特別措置法(以下、湖沼法)に基づく指定湖沼の指定、7期にわたる湖沼水質保全計画の策定などの水質保全策を進めていますが、近年の宍道湖・中海の水質はCOD(化学的酸素要求量)、全窒素、全りんともほぼ横ばいで推移し、環境基準は達成されていない状況です。

2.五感による湖沼環境指標
宍道湖・中海の水質を保全するためには、工場、事業場などの汚濁発生源の対策も重要ですが、住民それぞれが宍道湖・中海の環境について関心をもち、行動することも重要です。宍道湖・中海の湖沼環境を評価するための指標として、一般的にはCOD(化学的酸素要求量)、窒素、リン等の水質に関する化学的な指標が用いられており、県などが調査し、結果を公表していますが、科学的知識が必要なため住民の方には分かりにくいものでした。そのため、県では、宍道湖・中海を実際に観察することでその状態をもっと身近に感じていただけるよう、湖沼の環境を人の五感(見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる)により評価する指標を作成しています(添付ファイル)。
指標では7項目(湖水の澄み具合・ゴミ・景観・音・臭気・魚介類・湖水の感触)の観察項目を採点し、その合計点により、湖沼環境をA・B・Cのランク付けするようになっています。この五感による指標は、実際に宍道湖・中海周辺で住民の方に1年間さまざまな項目について湖を観察していただき、その結果から評価の傾向を分析して作成したもので、水の様子だけでなく、周囲の様子も含めた総合的な湖沼環境の評価の目安となっています。

3.モニター調査の内容
平成16年10月から、この指標により宍道湖・中海の湖沼環境を継続的に評価し、より多くの方に宍道湖・中海への関心を高めてもらうため、公募したモニターの方に五感による指標により湖沼の環境を採点していただき評価する、県民参加型の湖沼環境の調査を実施しています。
応募いただいた宍道湖及び中海に関心をお持ちの住民又は団体をモニターとして1年間委嘱し、毎月1回、各モニターの都合の良い日に宍道湖及び中海の岸辺(現在は宍道湖7地点、中海7地点の定点)で実際に湖を観察していただいています。
調査の際には「五感による指標」による観察項目についてそれぞれ採点していただき、あわせて補足調査として簡易水質調査キットにより水質(COD(化学的酸素要求量))を測定していただいています。

4.これまでの調査結果の概要
調査結果では、地点や調査月により点数が低くなることもあり、その傾向については今後のデータの蓄積によりさらに分析も必要ですが、年間を平均するとこれまでのところ宍道湖、中海とも五感指標の合計点数はBランクに相当し、「やや気になる面があるが、まずまず良好な環境であると感じられる」という結果になっています。

5.湖沼水質保全計画の新指標に設定
この調査を継続している間に、国においても、地域住民の理解と施策への参加を促進するための分かりやすい指標の設定が湖沼法の基本方針に盛り込まれました。県は平成26年度に策定した第6期湖沼水質保全計画において、他の指定湖沼に先駆けて、従来からの水質指標に加え、先進的な取組として実績のある五感指標を水環境の親しみやすさを示す指標として設定しました。
今後、湖沼水質保全計画においても、同指標Aランクの「おおむね良好で、親しみやすい環境にあると感じられる」を目指していくこととしています。
五感でチェック!!
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関連
ホームページ
http://www.pref.shimane.lg.jp/infra/kankyo/kankyo/shinjiko_nakaumi/kosyou_kankyo_monita/
本件問合先 環境生活部環境政策課 宍道湖・中海対策推進室
0852-22-5562
kankyo@pref.shimane.lg.jp