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タイトル | 「VIRTUAL SHIZUOKA」データセットの公開 |
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施策・事業名称 | VIRTUAL SHIZUOKAによる「デジタルツイン」の実現 |
都道府県名 | 静岡県 |
分野 |
行財政改革 防災・危機管理 |
内容 |
1 ソリューション開発に着手した経緯・動機 静岡県では、自然災害の激甚化、社会インフラの老朽化、過疎地域などにおける公共交通の縮小など、深刻化する課題に対応するため、レーザスキャナ等で現実空間をスキャンした高密度な3次元点群データを取得・蓄積し、仮想空間にデジタルツインとしての県土を構築する「VIRTUAL SHIZUOKA構想」に取り組んでいる。 取得したデータは、「VIRTUAL SHIZUOKA データセット」として、誰もが自由に使えるオープンデータとして公開することで、交通や防災などの行政目的だけでなく、新たな多様なサービスやビジネスの創出による「誰もが安全・安心かつ快適で質の高い生活を送ることができる美しく持続可能な社会」を目指している。 ・VIRTUAL SHIZUOKAイメージ動画 https://youtu.be/dbRRwQje9Fo 2 ソリューション開発の過程 ・取り組みのポイント (1)現実空間を3次元点群データによりアーカイブしておくことで、災害復旧やバーチャル観光等に活用できる。 (2)誰でも自由に使えるオープンデータ(CC-BY)としてデータセットを公開している。 (3)本データセットが自動運転用の地図やゲームに活用されるなど、新たな価値が生まれつつある。 ・ソリューションへの想い 「VIRTUAL SHIZUOKA」データセットは、まちの「記憶」を3次元点群データとして仮想空間に「記憶」したものである。今後、新たな「まちづくり」の際に現実空間を足構築するためには多大な費用ほかに、合意形成や意思決定に長期間を要するが、「VIRTUAL SHIZUOKA」の中に新たなまちがデザインされ、VR等を用いて関係者が新たなまちを模擬体験することで合意形成が迅速化し、老若男女、障がいと共に生きる方や健常者を問わず、誰にとっても住みやすい「まち」のあり方を、他人事ではなく「自分事」として考えるきっかけになると期待している。 また、GIGAスクール構想や、小学校でのプログラミング教育が必修化する中で、子供達がバーチャル空間で自由に「遊べる」データセットとして提供することは、次世代のイノベータ創出や人材育成の面からも有効な手段になると考えている。 3 完成に至るまでに直面した問題・課題、その解決方法 「VIRTUAL SHIZUOKAデータセット」は、膨大なデータ容量且つ永続的な保管が望まれることから、本県独自でシステム構築・運用を行っていくことは困難であったため、政府の地理空間情報活用推進基本法に基づき設立された(一社)社会基盤情報流通推進協議会と調整し、同協議会保有の「G空間情報センター」への格納が実現し、インターネット経由で誰もが利用できる環境が整った。 ・G空間情報センター(VIRTUAL SHIZUOKAデータセット) https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/shizuoka-19-20-pointcloud 4 ソリューション完成後の成果や効果 先鋭的で大胆な取り組みで利活用効果が表れているとして「グッドデザイン賞2020」を受賞した。 ・グッドデザイン賞2020 https://www.g-mark.org/award/describe/51263 データの庁内利用としては、景観対策の推進に向けた「景観シミュレーションの作成」や、防災意識向上への「津波浸水想定の3次元化」、観光交流拡大ツールとしての「ジオサイトのVR化」、林業の効率化を図る「森林情報等の把握」、農業基盤整備の早期具体化に向けた「計画策定への活用」など、様々な場面で活用されている。 また、民間利用としては、「自動運転用地図:ダイナミックマップへの活用」や「釣りコンテンツ」、「マインクラフトによるゲーム:教育ツール化」をはじめ、想像を超えて多方面への活用が拡がっており、創発効果が発現され始めている。 ・ダイナミックマップを活用した自動運転実証実験 https://www.dynamic-maps.co.jp/news/2020/1112.html ・釣りドコ https://turidoco.com/notices/51 ・マインクラフト https://www.youtube.com/watch?v=w42O1ksbEng&fbclid=IwAR3s_wF2_R2F69OZKBlhzuxBM9BCCSHYnCuxIB0zUzMZwjo0kWatXGmfl50 なお、令和3年7月3日に発生した熱海の土石流災害において、本データセットを活用し、速やかな災害状況の把握に寄与するなど、オープンデータ化の効果が着実に発現されている。 ・関連記事 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2107/30/news120.html 5 横展開に当たってのアドバイスや、共同クラウド利用の可能性 ・横展開について 近年、3次元点群データの有効性は認められつつあるものの、データの取得コストやデータ容量が大きいなどの課題により利活用が進んでいるとは言い難く、静岡県だけの取り組みでは限界があるのが実情である。他自治体においても3次元点群データの取得自体は進められているが、取得データのオープンデータ化は、兵庫県や北海道等の一部の自治体を除いてほとんど進んでいない。 すべての自治体の3次元点群データを統合できれば、「バーチャル・ジャパン」の構築に近づくことから、オープンデータ化の進捗が図られるような統一仕様書やガイドライン等を国において整備するなど、イノベーションを起きやすくする環境を構築いただきたい。 ・共同クラウド利用の可能性 本取組のように、膨大なデータの利活用や連携を促進する場合、基盤や共同クラウドの整備・運営にはコストも膨大に掛かることから、ネットワーク上に最適且つ規模に見合った形で搭載し、必要に応じて他データと連携する仕組みが好ましいと考える。 ![]() ![]() ![]() ![]() |
関連 ホームページ |
https://youtu.be/dbRRwQje9Fo |
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/shizuoka-19-20-pointcloud | |
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2107/30/news120.html | |
本件問合先 | 交通基盤部政策管理局建設政策課 |
054-221-2497 | |
mirai@pref.shizuoka.lg.jp |