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タイトル | CLTは高くない! ~都道府県初の建築コスト比較調査~ |
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施策・事業名称 | CLT普及促進(コスト比較等調査) |
都道府県名 | 岡山県 |
分野 | 農林水産 |
事業実施期間 | 平成29年4月1日~ |
施策のポイント | 新たな需要が期待されるCLT(直交集成板)は、コスト高とのイメージがあることから、都道府県で初めて、実際の建築事例を用いてCLT造と他構造とのコスト比較等を行い、客観的なデータによりCLTの利用上の特性を明らかにし、その普及拡大を図る。 |
内容 |
■ 取組の背景 ・人工林の約半分は50年生を超え、本格的な利用期を迎えており、人工林の7割を占めるヒノキの素材生産量は5年連続(平成24年~28年)全国一 ・木材需要の大宗を占める住宅着工戸数は人口減を背景に長期的に減少することが懸念され、新たな需要の開拓が必要 【CLT利用促進の取組】 ・平成27年度、国内初となるCLT量産工場(生産能力30,000立方メートル)の整備を支援 ・県CLT普及促進会議を設置し、CLTの材料となるラミナ(挽き板)の安定供給、市町村職員や建築士を対象としたセミナー開催、空港等での先駆的利用、公共建築物等での利用・設計支援など総合的に利用を促進 【県内のCLT建築物(平成29年度末時点)】 ・市営の住宅や保育施設、民間事業者による事務所や社員寮など30件 ■コスト比較等調査の実施 平成29年度、都道府県では初めて、実際に建築されたCLT造の建物2事例について、鉄筋コンクリート造等で建築した場合のコスト比較等を実施 【結果】 ・一定の条件のもとで、CLT造とRC造、S造を試算すると、ほぼ同額 ・CLT造は、駆体の重量が軽く、RC造に比べ基礎工事費が低減 ・CLT造では、材料費に加え、接合部分の加工・取付金物の経費が嵩む。 →今後、取組利用事例が増えれば低減が期待 ・現地での建て方期間は、短縮されるが、設計期間等は長くなる傾向 →事例が増えれば、設計期間短縮が期待 ・CLT造では、基礎のアンカーボルトの精度確保が必要 【結果の周知】 ・行政関係者や設計者、施工者等を対象とした調査報告会の開催 ・調査結果を取りまとめたリーフレットを国や市町村等の行政機関に提供し、情報共有を図るとともに、木材・建築関係者はもとより、商工・福祉関係団体など実需者にも配布し、CLTの特性を広くPR。 ・引き続き、県HPや各種会議、セミナー等で広く普及PRし、CLTの利用促進を図る。 ■ 期待される効果 CLT造の建築コストが他構造とほぼ同額であること、建て方工期が短いこと等が明らかになることで、CLT造は高いとのイメージが払拭され、建物構造の選択肢が広がり、コストを抑え、断熱性や調湿作用などCLTの特性を生かした魅力ある建築物が増加し、県産材の需要拡大につながる。 ■ 今後の展開 公共建築物等でのCLT利用・設計を支援するとともに、引き続き検討事例を増やして、客観的なデータにより、CLTの特性をアピールし、一層の利用促進を通じて、県産材の需要拡大に取り組む。 ![]() ![]() ![]() ![]() |
本件問合先 | 岡山県農林水産部林政課 |
086-226-7453 | |
rinsei@pref.okayama.lg.jp |