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タイトル | ふくしま。GAPチャレンジ |
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施策・事業名称 | 第三者認証GAP取得等促進事業 |
都道府県名 | 福島県 |
分野 | 農林水産 |
施策のポイント |
福島県では、県産農林水産物に対する風評払拭と産地への信頼向上を実現するため、より良い農業の証であるGAP認証の取得数日本一を目標に掲げ、GAPの導入拡大にチャレンジしている。 この取組では、震災と原発事故で傷ついた生産者のプライドを認証取得プロセスを通して、新しい誇りとして創り上げるとともに、東京2020オリンピック・パラリンピックの食材調達基準をクリアし、本県のおいしい食材を食べていただくことにより、震災以降の国内外からの応援に対する感謝の気持ちを伝えることを目指している。 このため県は、関係機関・団体からなるGAP推進協議会を設置するほか、本県独自の認証制度である「ふくしま県GAP」の設立や認証取得に向けた指導体制を整備するなど様々な支援を実施している。 平成29年度の取組開始から認証件数は着実に増加し、目標件数達成まであと一歩となっている。 |
内容 |
1 背景 2011年3月11日に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響により福島県内の農業は甚大な被害に直面し、特に県産農林水産物の安全への信頼は大きく損なわれた。 このため、本県では放射性物質対策の徹底を始め、農林水産物の緊急時モニタリング検査等の実施と検査結果の迅速な情報発信に努め、放射性セシウムの食品の基準値を超過した農林水産物が、決して流通しないよう取組を進めてきた。 その後、全国の皆さんからの御支援もいただき、本県農林水産物の販売は徐々に回復したが、根強い風評により販売単価の回復の遅れに加え販売棚を失うなど、販売環境の悪化に苦戦を強いられた。 このような中、本県農林水産物の安全・安心への信頼を取り戻し、震災による風評払拭を図るため、より良い農業の証であるGAP認証に注目し、平成29年5月に福島県とJA福島中央会で「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」を行い、GAP日本一を目指す取組を開始した。 2 事業の概要と実績 (1)「ふくしま県GAP」の創設 農林水産省のガイドラインに準拠するとともに、本県特有の課題である放射性物質対策に関する基本項目を取り入れた本県オリジナルの認証制度を平成29年7月に創設した。取り組むべき項目は、他の第三者認証GAPと揃えるなど、今後ステップアップしやすい制度設計としており、令和2年3月末現在で73件を認証している。 (2)指導体制の整備 県域及び県内7地方に、関係機関・団体からなるGAP推進協議会を設置し、農業団体、流通業者、市町村等と連携してGAPの推進を図っている。また、普及指導員やJAの営農指導員を対象にGAP指導員や内部監査員を養成する研修会を開催し、令和2年3月末現在で約900名が活躍している。 (3)認証取得に必要な経費の支援 生産者の費用負担軽減を図るため、補助事業を活用し、認証取得経費、認証に必要な残留農薬や水質等の分析経費、民間コンサルタントの活用経費等を支援している。認証件数は令和2年2月現在246件となり、平成28年の10件から大幅に増加した。 (4)教育機関での認証取得に対する支援 県内にある全ての農業系高校10校と農業短期大学校1校のGAP認証取得とその実践活動を支援しており、GAPにチャレンジする高校生等の姿は、復興に取り組む生産者を勇気づけ、福島の未来を切り拓く大きな力になるものと期待されている。 (5)消費者等の理解促進とGAP認証農産物の供給拡大に向けた取組 GAP認証食材を活用したイベントの開催やオリンピック・パラリンピック選手等への応援を積極的に行う他、各種イベントでのPRブースの出展やポータルサイトの開設等を通して消費者等の実需者へのGAPの理解促進に取り組んでいる。また、平成29年度から「ふくしま。GAPチャレンジセミナー」を毎年開催し、生産者や関係団体の意識向上を図るとともに消費者や流通業者等へ向けて強力に情報発信を行っている。 ![]() ![]() ![]() ![]() |
関連 ホームページ |
https://gap-fukushima.jp/ |
本件問合先 | 福島県農林水産部環境保全農業課 |
024-521-7342 | |
kankyouhozen_nougyou@pref.fukushima.lg.jp |