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タイトル | 職員による業務効率化システムの構築 |
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施策・事業名称 | オープンソースソフトウェアを活用した業務システムの構築 |
都道府県名 | 岡山県 |
分野 | その他 |
事業実施期間 | 令和2年10月1日~ |
施策のポイント |
庁内業務用に職員自らが「庁内Web会議」、「庁内動画配信」、「ビジネスチャット」の3システムをゼロ予算で構築し、業務のデジタル化・効率化を実現した。 ○導入の背景 この職員が担当する庁内グループウェアのヘルプデスク業務は、庁内電話による対応が主であったが、一向に減らない業務量にどうにか工夫してこれを削減できないか、その思いを募らせていた。その中で、グループチャットで相談・回答・共有が一挙に可能であることに着目し、上司の許可を取り付け、ビジネスチャットの導入を推し進めた。同職員は庁内Web会議や庁内動画配信の業務でも次々にICTを活用した業務改善を提案し、自らシステムを構築していった。 ○導入コスト オープンソースソフトウェア(公開され自由に使用できるプログラム)を活用し、既存のイントラネット基盤を活用することで、ゼロ予算の導入を実現した。 ○利用状況 動画配信システムは、知事記者会見や重要庁内会議の庁内配信で利用が定着している。Web会議システムやビジネスチャットは、庁内オンライン会議やペーパーレス化の取組に利用されている。 |
内容 |
【現状・課題】 ・感染症対策やテレワークを進める上で、オンラインでの業務継続を可能とするICTツールの早期整備が求められているが、次のような事情により職員向け庁内システムの整備には遅れが生じていた。 ・Web会議システムについて、旧システムでは「Adobe Flash Player」の利用を前提としたシステムであり、令和3年1月にAdobe社のサポートが終了したため、これらシステムも利用できなくなった。 ・動画配信システムについて、旧システムは専用機器を使っていたため、開催環境によっては機器搬入等が必要となり機動性に欠けることや、更新費用が高額であり予算確保が難しかった。 ・Web会議システムについて、庁外関係者と「ZOOM」等のインターネットサービスを使ったオンライン会議は広く行われるようになったが、出先事務所や在宅勤務者などと機微な情報を扱うオンライン会議を行う環境がなかった。庁内用Web会議システムを構築する場合、高額なシステム整備費に加え、通常の1ライセンス月額数万円のライセンス費用が発生するため予算確保が難しかった。 ・ビジネスチャットについて、現行メッセージツールである「IPメッセンジャー」は、一対一通信を前提とした旧式仕様であり、ソフトウェア起動中の相手としか通信できないこと、端末にメッセージを残すリスクがあること、業務グループ単位での運用が難しいこと、誤送信を起こしやすい操作方法などの問題がある。近年、電子メールに替わる社内・社外連携ツールとして「Chatwork」等のインターネットサービスが普及しているがほとんどのサービスが庁内ではセキュリティ対策のため利用できないことや、1アカウント月額500円~1,000円するライセンス費用が発生するため予算確保が難しかった。 【取組内容】 ○庁内Web会議システム、庁内動画配信システム ・オープンソースソフトウェアを利用し、既存のイントラネット基盤上に構築することで、ゼロ予算の導入を実現した。 ・庁内ネットワークや職員の業務用パソコンの環境等を前提とし、職員に複雑な操作をさせないよう、標準的ブラウザのみで視聴可能なものとした。 ・数十人規模の庁内会議では問題なく動作し、資料共有など一般的に利用される機能を装備している。 ○庁内ビジネスチャット ・オープンソースソフトウェア「Rocket.Chat」を利用し、既存のイントラネット基盤上に構築することで、ゼロ予算の導入を実現した。 ・サーバ利用による非同期でのメッセージ交換や、業務用パソコンにメッセージを残さない、不特定多数に一斉通知されないことなど、従来の問題を解決し、利便性・安全性が向上した。既存の職員IDにより認証基盤連携することによる正確な氏名表示など、運用面の機能改善も実現した。 【効果】 ○庁内Web会議システム ・知事部局では出先機関(県民局、地域事務所)を繋ぎ、教育庁では各県立学校を繋いでWeb会議を実施している。 ・関係所属の全体会議や幹部職員会議など関係職員の多い会議に限らず、職員らのグループでも適宜開催可能なよう常時利用可能なURLを配布するなど、システム運用者、利用者の双方の作業負担も多くなく、好評を得ている。 ○庁内動画配信システム ・新型コロナウイルス感染症対策本部や、知事の定例記者会見などの庁内配信に利用し、庁内職員向けにリアルタイムの情報共有を実現している。 ○庁内ビジネスチャット ・情報管理主管課の庁内向けヘルプデスク対応に利用し、電子メールより密な相談者対応や、ヘルプデスク担当者間の情報共有を容易にしている。 ・在宅勤務職員が増える中、職場内のコミュニケーションもオンライン対応が必要となるため、電子メールより操作性がよく、現行メッセージツールより安全・高機能なビジネスチャットの導入は時機に適したものであった。 ・運用に当たって、メッセージ及び添付ファイルの保存期限等は利用状況をみて調整予定である。 ・庁内用アカウント発行数 239個(2021年5月末現在) 【他団体適用】 ・オープンソースソフトウェアと既存の情報インフラ資源活用の組合せは、多くの団体で適用可能である。 ・システム構築及び利用料負担が困難な団体や、小規模グループからの試行を検討している団体にとっても参考となる事例と考える。 |
本件問合先 | 総務部デジタル推進課 |
086-226-7264 | |
digital@pref.okayama.lg.jp |