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タイトル | ライチョウ目撃情報投稿アプリ「ライポス」の運用 ~官民がスクラムを組んで取り組むライチョウ保護~ |
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施策・事業名称 | ライチョウ目撃情報投稿アプリ「ライポス」開発業務 |
都道府県名 | 長野県 |
分野 | 環境 |
事業実施期間 | 令和3年6月30日~ |
内容 |
【概要】 ライチョウ保護対策検討のための基礎データとなるライチョウの目撃情報をスマートフォンを用いて登山者等から収集するアプリ「ライポス」を開発。 ●ライポスの機能 ・スマートフォンを用いて正確な位置情報や写真等、様々な情報を目撃したその場から投稿が可能 ・投稿された目撃情報は「ライチョウマップ」から閲覧・共有が可能 ・ライチョウ識別図鑑や観察マナーなどの学習コンテンツを公開している「ライチョウ保護スクラムプロジェクトWEBページ」へリンク(誘導)し、ライチョウ保護への意識向上を促進 【1.職員又はグループがソリューション開発に着手した経緯・動機】 ・長野県の鳥「県鳥」で、国の特別天然記念物でもあるライチョウは、地球温暖化の影響により今世紀末には生息環境がほぼ消滅するなど、絶滅の危機にあるといわれている。(高山帯のライチョウはここ50年で半減。現在全国で1700羽(推定)しか生息していない) ・長野県版レッドリストにおいて絶滅危惧1B類に分類されているライチョウに効果的な保護対策を実行し、絶滅の危機から守るためには、まず、生息状況を把握する必要がある。 ・しかし、高山帯のような広域エリアにおいて継続的に生息状況を把握することは、人材、資金的にも困難である。 ・また、これまで、山小屋に「ライチョウポスト」を設置して、ボランティアや登山者の協力のもと、目撃情報を紙やメールにより収集(年間150件程度)していたが、件数や地域に偏りがあるほか正確な位置情報の把握やデータの取りまとめが課題であった。 ・そういった課題等に対応するため、ライチョウ目撃情報を集めるためのスマートフォン用アプリ「ライポス」を開発。 ・スマートフォンのアプリを用いることで、正確な位置情報の把握と、登山者はじめ様々な方から即時性の高い情報を多く集めることが可能となった。 【2.ソリューション開発の過程】 <費用の調達> ・アプリ開発等に必要な費用をクラウドファンディング型ふるさと納税により調達。全国のアルピニスト、登山愛好者、自然や山を愛する方々、地球温暖化対策に関心のある方を中心に寄付を呼びかけたところ、目標を大きく上回る寄付金をご支援いただいた。 ・寄付金額:4,939,300円(当初目標270万円・達成率182.9%) ・支援人数:335人 ※目標金額を超えて集まった寄付金は、翌年度のライチョウ保護事業で活用 <魅力あるアプリ> ・ライポスの開発と合わせて、ライチョウの生態図鑑等を公開しているWEBページを制作。ライポスと当該ページをリンクさせることで、目撃情報を投稿できる機能だけでなく、利用者がライポスを通じてライチョウについて学び、ライチョウ保護への意識を高めることができる仕様とした。 ・観察者の現在位置をGPSにより自動表示することで目撃位置の入力を省力化。下山後に目撃場所を地図上で登録することも可。 ・アプリの開発にあたって長野県環境保全研究所とも協力 <「ライポス」の由来> ・かつて山小屋へ設置していた「ライチョウポスト」の役割をバトンタッチしたこのアプリを、多くの方に使ってほしいという想いから、親しみを込めて愛称を「ライポス」とした。 <運用開始時期> ・全国から多くの登山者が訪れる夏山シーズン(7月~8月)に間に合わせるよう、スケジュール感を重視して開発(令和3年6月30日 運用開始) 【3.完成に至るまでに直面した問題・課題、その解決方法】 <課題> ・ライチョウが生息する高山帯は、電波状況が悪い場合があり、アプリが正常に起動しないことが想定された。 <対応> ・電波不通時でも閲覧可能な地図を準備し、電波状況が悪い場所でもアプリが起動し目撃情報を投稿できるよう整備した。 【4.ソリューション完成後の成果や効果】 <ライチョウ保護対策の推進> ・スマートフォンを用いた手軽な方法で目撃情報を投稿できることから、登山者等から多くの目撃情報を収集することが期待できる。得られた目撃情報は、今後のライチョウ保護対策の検討のための基礎データとする。 ・また、羽数、雄雌等の基本的な情報だけでなく、位置、写真等の精度の高い目撃情報を収集でき、今後、データを蓄積していくことで、新規生息地の発見、主要生息地での個体数の増減を把握、生息区域の拡大や縮小を把握、保護増殖事業の効果判定なども可能となり、効果的な保護対策の検討に役立てることができる。 <業務効率化> ・投稿情報は、電子データで蓄積・閲覧できるため、データの分析等が効率的に行える。 【5.横展開に当たってのアドバイスや共同利用可能性】 <関係機関との連携> ・目撃情報は、必要に応じて環境省や隣県等と共有し、関係機関と連携してライチョウ保護対策に取り組む。 <他の動植物への横展開> ・ライチョウ以外にも、絶滅の危機にある動植物の生息状況を把握するために横展開が可。ただし、目撃情報の閲覧・共有の精度については、慎重な検討が必要。 ![]() ![]() ![]() |
関連 ホームページ |
https://www.raicho-nagano.jp/ |
https://www.pref.nagano.lg.jp/shizenhogo/documents/raipos.html | |
本件問合先 | 環境部自然保護課 |
026-235-7178 | |
shizenhogo@pref.nagano.lg.jp |