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タイトル | 3次元点群データを活用したスマートフォン等による災害査定の効率化 |
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施策・事業名称 | スマートフォンやiPadなどモバイル端末での3次元計測による災害査定の効率化 |
都道府県名 | 静岡県 |
分野 | 防災・危機管理 |
事業実施期間 | 令和5年4月18日~ |
内容 |
ⅰ 職員又はグループがソリューション開発に着手した経緯・動機 (背景や着眼点、課題や問題点、発想や対応の変遷等) <データ利活用の背景> 静岡県では、「VIRTUAL SHIZUOKA」構想により、全国に先がけて、レーザースキャナ等で県土全域の3次元点群データを取得・蓄積及びオープンデータ化することで、デジタルツイン空間の実現に取り組んでおり、防災・インフラ管理だけでなく、観光、文化財、自動運転などあらゆる分野で点群データ利活用の機運が高まっている。 (https://www.pref.shizuoka.jp/machizukuri/1049255/1052183.html) 一方、近年では、スマートフォンなどのモバイル端末にも点群取得が可能なLiDARセンサーが搭載され、誰もが安価かつ手軽に操作ができることから、3次元計測の垣根が大きく下がり、点群データの利活用がさらに盛んとなっている。 <台風における甚大なインフラ被害の発生> 令和4年の台風15号により静岡県は甚大な被害を受け、インフラ施設の災害復旧事業が相次いだ。静岡県川根本町を流れる一級河川身成川では、急激な流量の増加により、護岸施設の被害が発生した。 ⅱ ソリューション開発の過程 (開発等に際しての具体的な取組内容や創意工夫したエピソード等) <取り組み概要> 当該河川施設における災害査定の申請において、必要な資料作成や、現地の被災箇所の計測にスマートフォンやiPadでの3次元計測を職員自ら実施した。これにより、現場の計測作業にこれまで多くの人員・時間のリソースを割いていたが、モバイル端末で簡易的に3次元計測が可能となったため、職員一人で、予算をかけずに現況横断図面の作成及び取り壊し数量などの設計・積算に必要な諸数量を確認することができた。 <取り組みのポイント> (1)3次元点群データを活用し、スマートフォンやiPadにより、職員一人で被災箇所を計測 (2)災害査定資料作成を職員だけで実施(※図面は「大規模災害による簡素化」適用により代表断面を作成) (3)全て無償のソフトウェアで実施 (4)今回の災害対応以外にも日常の維持管理での様々なシーンで活用が期待できる ⅲ 完成に至るまでに直面した問題・課題、その解決方法 (アイデアを具現化するに当たって苦労した点やその解決方法等) <県が導入している2次元CADへの展開についての課題解決> 図面作成において、3次元点群データから作成した断面線は、3次元CADでのみ表示されるため、県の2次元CADでは正しく読み込むことができなかった。そのため、一度、別のオープンソースの無償のCADソフトウェアを用いて2次元CAD用に変換作業を行った。 ⅳ ソリューション完成後の成果や効果 (解決された社会課題、業務効率化の内容等) <国土交通省防災課が作成した事例集への掲載> 誰もが手軽に導入でき、作業の効率化に寄与するとして国土交通省防災課が作成した「災害復旧事業におけるデジタル技術活用の手引き(素案)」に事例として掲載された。 <具体的な作業手順を公開> また、作業手順をまとめHP等でオープンデータとして掲載したところ、他自治体からの反響・問い合わせをいただいた。 ( https://www.docswell.com/s/4105303713/ZM1WDG-2023-03-05-210706 ) ⅴ 横展開に当たってのアドバイスや共同利用可能性 (他団体に横展開する際の注意事項や、共同クラウド利用の可能性等) <横展開に当たってのアドバイス> 今回は、小規模なインフラ施設で実施したが、モバイル端末のLiDARセンサーの計測可能な距離が5m程度であるため、適用可能な施設の選定が必要である。 また、計測においては、二次被害の危険性のある被災現場である上、歩きつつ画面を確認しながらの作業となるため、周囲の安全確認が必須となる。 <被災状況のデジタルアーカイブによる維持管理の効率化の可能性> 一度、被災があった箇所は、構造上の弱部であり、繰り返し被災する可能性が高い箇所である。被災時の点群データを、3D GISなどのWEBプラットフォーム上に可視化・蓄積していくことで、被災可能性が高い箇所として維持管理の効率化につなげることができると考える。 <机上査定・遠隔査定の効率化の可能性> 点群データでは、自由視点での確認が可能なため、例えば、写真ではわかりづらい護岸裏の空洞状況等を計測することで、護岸が健全でないことを机上査定においてもわかりやすく査定官に確認してもらうことができる。 さらに、計測したデータをAR表示やVR表示することで、将来的には、遠隔地にいる査定官に対しても臨場感をもって被災状況を伝えることもできると期待している。 <座標系の変換によるデータ活用の可能性> モバイル端末での計測において、平面直角座標系などの座標系と容易に紐づけることが可能であれば、静岡県が公開している「VIRTUAL SHIZUOKA」との重畳が可能となり、時系列による変状の抽出が容易になると考える。静岡県では、現時点の技術においての、活用手順をまとめたガイドブックを県HPにて公開し、データの取得手順、座標変換手法についての知見を提供している。 (https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/029/078/kannseigaidobukku.pdf ) ![]() ![]() ![]() ![]() |
関連 ホームページ |
http://www.pref.shizuoka.jp/machizukuri/1049255/1052183.html |
http://www.docswell.com/s/4105303713/ZM1WDG-2023-03-05-210706 | |
http://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/029/078/kannseigaidobukku.pdf | |
本件問合先 | 交通基盤部建設政策課 |
054-221-2497 | |
mirai@pref.shizuoka.lg.jp |