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| タイトル | 産金官連携によるデジタルインボイス活用事業 |
|---|---|
| 施策・事業名称 | 産金官連携によるデジタルインボイス活用事業 |
| 都道府県名 | 岐阜県 |
| 分野 |
商工・労働 デジタル |
| 事業実施期間 | 令和5年4月1日~ |
| 施策のポイント |
本事業は「受発注」「請求書の発行」から「決済」までの一連の業務のデジタル化とデータ連携による自動処理によって県内中小企業等の業務効率化を図るものである。 そのために、デジタルインボイスを利用できるシステム開発の支援を実施し、さらに、その普及を見据え経営支援機関や金融機関、税理士会等との協力体制を構築した。 実証事業においては、従来の作業時間の約7割の削減効果が実現されるなど絶大な効果を得ることができた。 |
| 内容 |
1.事業実施における背景 中小企業等の競争力向上のためにはDXに取り組むことが不可欠である。 岐阜県においては企業のDX実現に向けて、従前より補助金等による支援や研修・セミナー等、様々な事業を実施してきたところである。 しかし、中小企業の多くはDXに取り組まなければならないと考えるものの、DXに取り組むための人材、特にデジタル人材が不足しているという課題を有している。 そこで、不足する人材を補うため、まず実施すべきは、会計や総務などのバックオフィス業務の効率化と考え、デジタルインボイスの導入を検討した。 ※ 中小企業のバックオフィスの現状(新聞記事等のタイトル抜粋) 「中小企業、なおファックスの山」 「大企業各社のEDI:いったん印刷 むしろ煩雑」「他画面問題」 「5割超の企業で、担当者が月末に売掛金消込みの作業に月延べ5時間以上かけている」 デジタルインボイスとは「標準化され構造化された電子インボイス」のことをいう。 デジタルインボイスの利活用は単なる請求業務(請求書発行・発送)のデジタル化だけでなく、「受発注」から「決済」までの一連のプロセスをデータでつなげ、バックオフィス業務全体が効率化することが期待されている。 デジタル庁は2021年9月にヨーロッパ等で採用されている電子インボイスの国際的標準仕様であるPeppolを採用し、日本におけるデジタルインボイスの標準仕様(JP PINT)を策定・公表した。 電子請求書の仕様や運用ルールが統一化されたことにより、あらゆる事業者が同じルールの下で業務を行うことが可能となった。 これにより、事業者間におけるデータ連携が容易になることが予測され、 ①作業の自動化(請求書の送付、受領した請求書の入力、銀行への振込指示、売掛金の消込作業など) ②誤入力や問い合わせ対応の削減 が実現可能となることから、岐阜県としてもデジタルインボイスの活用は、推進するに値する仕組みであると考えた。 2.開発の過程 本事業のポイントとして、システムの開発・管理運用は自治体ではなく、民間事業者が主体であるということが挙げられる。 これは、システム利用者を自治体内に限定する必要がなく、自治体を問わず広く普及させるべきものであること、 また、適切なサービス利用料を得ることにより、民間サービスとして自走することが望ましいという考え方によるものである。 しかし、前述のとおりデジタルインボイスの仕組みは策定されたばかりであり、大手会計ベンダーでの活用も進んでいなかったことから、市場の何歩も先を行く非常に先進性の高い取り組みであった。 そのため、システム構築にあたっては開発ベンダーの負担が大きくなるため、開発と普及までを県が支援する形を採っている。 システム開発にあたっては、地元IT企業である(株)ミライコミュニケーションネットワークを中心とするワーキンググループが構成され、 構成員には受発注EDI(電子データ交換システム)を保有する地元企業、地元金融機関が含まれている。 また、システム構築後の普及を見据え、令和5年4月には、県内商工会等の経営支援機関や地元金融機関、税理士会等からなる「岐阜県デジタルインボイス研究会」を発足し、情報交換や普及のための事業検討を行っている。 研究会にはアドバイザーとして、経済産業省やデジタル庁などの国の機関や全国銀行資金決済ネットワーク、全国デジタルインボイス推進協議会にも参加をいただき、国レベルでの情報の共有や発信を行っている。 3.ソリューションによる効果 令和5年12月に、構築したシステムを、実際の商取引の現場で活用する実証事業を行った。具体的には ① システム上で発注登録、受注処理、納品・検査登録 ② 受注データを基にデジタルインボイスを発行 ③ Peppolアクセスポイントを経由し、発注者にデジタルインボイスを送付 ④ 受け取ったデジタルインボイスを基に、DI-ZEDI(取引明細情報など)付き振込依頼データを作成、振込 ⑤ DI-ZEDI データを基に請求・入金の消込 の一連の処理を行った。 その効果として、発注者と受注者を合わせて従来約40分必要とする作業が約13分に削減されるなど、業務にかかる時間を約7割程度削減できる効果が得られた。 また、手入力する箇所がほとんどなくなるため、誤入力などのミスも見られなかった。 4.事業実施における課題とその対応 実施にあたっての課題として挙げられるものは大きく2つ。 1つ目は、中小企業が導入しやすい仕組みの構築と普及施策の検討である。デジタルを用いた作業に不慣れな方でも直感的に操作ができるユーザインタフェースの作成は重要であった。 また、今回経営支援機関や金融機関に参画いただいたのはこれらの機関が中小企業の一番の相談相手であるからである。まずは彼らにこの事業の目指す世界を共有し、内容を理解いただく必要がある。 2つ目はインターネットバンキングサービスとの接続である。本システムは銀行サービスと接続する部分がいくつかあり、それらを連携することにより一層の作業の省力化を図ることができる。 しかし、モデル事業のような閉鎖された環境であれば連携が可能であることは検証されたが、一般に公開することを想定すると、セキュリティなどの懸念から既存のインターネットバンキングの改修など様々な問題が発生することがわかった。これらの問題は費用と時間をかければ解決することも考えられるが、まずはシステムを普及させることが重要であるとして、一部の機能は保留とし、必要最小限のスモールスタートから始め、ユーザーの声も聞きながら今後の改修を進めていく方針である。 5.行政改革について 岐阜県では前述の「岐阜県デジタルインボイス研究会」とは別に、行政における会計事務のデジタル化に向けた検討を行うため、令和5年度に庁内において異なる部局を横断する5つの課からなる「会計事務デジタル化勉強会」を発足した。 ここでは行政の調達から支払までの業務のデジタル化と、データ連携を図るための課題の洗い出しや財務会計システムの改修に向けた議論を行っている。 特にデジタルインボイスについて言及すると、行政はその地域における大口の発注者であり、民間事業者から非常に多くの請求書を受領している。 そのため、行政がデジタルインボイスを活用する仕組みに対応することで、民間事業者の効率化を図ることができるようになる。 また、行政事務の効率化という面においては、行政がデジタルインボイスを受領することにより、従来職員が行っている支出業務について、事前に会計書類とデジタルインボイスの情報を紐づけることにより、支出情報の自動入力機能やチェック機能が搭載可能となり、支出業務の効率化、ゆくゆくは支出業務の自動化が可能になると考えられ、職員は支出事務にかけていた時間を企画業務や住民サービスに充てることができるようになる。 6.横展開、他での活用について この取り組みは、既に経済産業省や金融庁の会議や全国信用金庫協会の会議など、様々な場において説明の機会をいただいている。岐阜県内の民間事業者の取引先は、当然ながら岐阜県だけにとどまらず全国の企業である。 デジタルインボイスを活用する企業が増えることにより、県内外を問わない民間事業者が便益を受けることができる。 今回開発したシステムはJP PINTに基づき開発されており、どの自治体でも、どのITベンダーでも同様に開発することができる。 また、これまでに実施した「岐阜県デジタルインボイス研究会」の会議の様子はすべてオンラインにて配信しており、北海道から九州まで多くの方に視聴いただいている。 さらに、本システムの開発に対して県が交付した補助金の補助率は10/10(令和5年度時点)としている。 全額補助とした背景は、今回の開発の過程やシステムの構成等はセキュリティ上の問題で避けるべき部分を除き、公開することを条件としていることが挙げられる。 これは、本システムを参考とした新たなシステムや金融サービスが生まれることに期待するためである。 7.今後の活用について 本事業によって構築されたシステムは、令和6年秋にサービスインしている。 本システムのようにユーザー数が増え、相互利用することによりユーザーの利便性が向上するサービスにおいては、初期段階における一定の利用者を確保することが重要である。 実証事業で得られた作業時間を約7割削減する効果が、今後システムを利用する事業者においても同様に確認されることとなれば、企業の人材不足という問題に改善をもたらすだろう。 また、本来事業者における競争力の源泉はその技術やサービスの質であり、バックオフィス業務が効率化されることにより得られた余力(ヒト・カネ)を生産現場などの競争領域へとシフトすることで、企業の強みを伸ばしてほしいと考える。 |
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関連 ホームページ |
https://gifudx.softopia.or.jp/gifu-digital-invoice/ |
| 本件問合先 | 岐阜県 商工労働部 産業デジタル推進課 |
| 058-272-8467 | |
| c11356@pref.gifu.lg.jp |
