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| タイトル | 熟練農家の白桃収穫技術を新開発スマート機器で誰でも簡便に! |
|---|---|
| 施策・事業名称 | 果樹栽培の省力・高品質安定生産を可能にするスマート栽培管理支援システムの開発 |
| 都道府県名 | 岡山県 |
| 分野 | 農林水産 |
| 事業実施期間 | 令和4年4月1日~ |
| 施策のポイント |
桃の収穫適期の判定は、果皮の色合いを目視で確認して収穫を判断する。このため、経験による熟練技術の修得と、多くの労力を要していた。 そこで、収穫適期が近づくと果実が軟化することに着目し、音響振動装置を用いて、果実硬度を経時的に測定し、収穫日を予測する手法を開発した。また、AR(拡張現実)技術を活用し、予測した収穫日までの日数をスマートグラスに投影し、収穫適期の桃の収穫作業ができる栽培管理支援システムを開発した。 本システムの導入により、経験の浅い新規就農者や雇用者でも、適期に収穫を行うことができ、正品率(適切に熟した果実の割合)の向上による収益増や規模拡大につながり、経営発展が期待できる。 また、県の普及指導組織が主体となって、産学官連携によるスマート農業技術の新システム開発に取り組んだことで、今後、現地への普及拡大による産地の構造改革につなげていく。 今後、システムの普及促進により、桃産地の一層の生産性向上と、供給力強化を図る。 |
| 内容 |
1 ソリューション開発に着手した経緯・動機 岡山県産の桃は果実に袋を掛けて栽培された白い桃であることが特徴で、香りが高く、とろけるような食感であることから、国内のみならず海外でも高い評価を得ており、ブランド化が進んでいる。 一方、桃は収穫期が近づくと急激に成熟が進み、収穫適期の幅が短く、また、果実ごとに熟期が異なる。このため、袋を開けて、果皮の色合いを確認し、収穫適期を判断することが必要であり、経験に基づく熟練した技術が求められるため、経験の浅い新規就農者やパート雇用者に大きな障壁となる。 また、目視の結果、未熟果の場合は再度袋を閉じ直し、後日、袋を開けて確認するなど多くの手間がかかる。 農家の高齢化と担い手の減少の進展に伴い、収穫管理作業の省力化技術の開発が求められている。 2 ソリューション開発の過程 (1)取組体制 本システムの開発にあたっては、岡山県が研究代表機関となり、大学や生産者、民間企業等で構成するコンソーシアムを設立して取り組んだ。 岡山県の農林水産総合センターと農業普及センターが役割を分担し、代表機関として総合調整事務、実証農家の選定と作業性等について現場の意見を集約し、開発部門にフィードバックすることで、より使いやすいシステムとなるよう技術的助言を行った。 ○岡山県:全体調整、熟練技術のデータ化、産地の意見集約と現地実証 ○熟練農家:現地実証 ○大学・IT企業:システム開発・実証 ○農林中金:県内産地に関する情報提供 (2)音響振動装置による栽培管理適期判定技術の確立 まず、桃は成熟に向けて果肉が軟らかくなることに着目し、音響振動で果実硬度を測定する装置を用い、岡山県の主要5品種について、収穫適期までの果実硬度を経時的に測定した。この結果に基づき、県農林水産総合センター農業研究所が、収穫適期までの果実の軟化経過を示す「軟化曲線」を作成した。 これにより、収穫の約2週間前に、樹上で袋が掛かった状態の果実硬度を測定することで、果実ごとに収穫までの日数を正確に予測できる技術を開発した。 (3)収穫作業のスマート化 次に、予測した収穫日と、測定した果実ごとの3次元位置情報をクラウドに保存し、AR(拡張現実)技術を活用して、スマートグラスを通して果実ごとに、収穫までの日数を重ねて表示することで、収穫すべき果実が一目で分かり、収穫作業の大幅な省力化と、誰でも簡便に収穫ができるスマート栽培管理支援システムを開発した。 3 創意工夫や完成に至るまでに直面した課題・その解決方法 (1)創意工夫 生産現場でのニーズを把握するため、中心的な桃農家で構成する「岡山県果樹研究会桃部会」を対象にアンケート調査し、収穫時期を簡易に判断できる技術開発のニーズが強いことを把握した。 現場での実証は熟練農家の協力が不可欠であったが、開発段階での実証は農家にとって経済的リスクもあるため、丁寧に技術対応を説明し、協力を得た。 硬度データの測定時はスマートグラスに果実硬度と収穫時期までの日数の2項目を表示させ、測定結果を確認できるようにした。一方、収穫作業時は収穫適期までの日数のみ表示させ、視認性を向上する仕様とした。 (2)完成に至るまでに直面した課題・その解決方法 果実の位置測定は、当初、GPSとRTK(GPSデータを補正する技術)を用いたため、膨大なデータ処理から動作が不安定となった。そこで、事前に園地に設置した基準点となるポイントの位置情報を基点に位置を特定する方法に変更することで、動作の安定化を実現した。 品種ごとに異なる果実の軟化曲線を明らかにするため、1万回の硬度測定と、熟度判別のため830果の食味調査を実施した。これは、負担の大きい業務であったが、開発に携わる職員が一丸となって、岡山県の桃の技術革新を成し遂げる強い思いから調査を完遂した。 4 ソリューション完成後の成果や効果 本システムの導入により、正品率(適切に熟した果実の割合)が15%向上し、また、収穫に要する時間は測定時間を含めて25%削減できた。 正品率の向上により、収益性が改善されるとともに、経験が浅い新規就農者やパート雇用者等でも適期収穫が可能となり、また、熟練農家においても、収穫作業の効率化で経営規模拡大を図ることができる。 さらに、システムの産地への普及拡大を図ることで、供給力の強化につながり、岡山県産白桃のブランド力強化が期待できる。 なお、本システムは、令和7年6月に市販を予定しており、県内でのシステムの導入・普及が見込まれている。 5 横展開に当たってのアドバイス 本技術は、桃以外に柿、梨など、果実硬度と成熟に相関がある果実について活用できる可能性があり、全国的に開発した技術の波及が期待できる。 なお、当県では産地への普及を進めるため、本システムの導入経費を支援することとしている。 |
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関連 ホームページ |
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/smart-nogyo/theme/files/SA1-110C2.pdf |
| 本件問合先 | 農林水産総合センター 普及連携部 普及推進課 |
| 086-955-0274 | |
| nousou-fukyu@pref.okayama.jp |
