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タイトル ICTを活用した環境制御が可能な「あいち型植物工場」を推進し、産地の競争力向上を図ります
施策・事業名称 あいち型植物工場推進事業
都道府県名 愛知県
分野 農林水産
事業実施期間 平成28年4月1日~
施策のポイント 愛知県は、全国にさきがけて施設園芸が発展していて、農業用温室・ハウス類が全国3位の規模で整備されている。こうした既存施設に環境モニタリングによる環境制御機能を付加することで生産性を向上させる「あいち型植物工場」を推進するため、試験研究・行政・普及指導が産地と一体になった取り組みを進め、産地のさらなる競争力強化を図っている。
内容 1 あいち型植物工場とは
愛知県は、太平洋岸に位置し、冬季の日照に恵まれた温暖な気候を生かして、全国有数の施設園芸産地を形成している。多くの農家は、現有施設への環境制御装置等の導入による生産性の向上に関心を持っている。そこで、既存の中規模温室やハウスをそのまま活用して、センサー技術の利用による環境制御機能を追加することで飛躍的な収量増を実現することができる「あいち型植物工場」技術の開発と普及を進めている。
【あいち型植物工場】
・太陽光を利用した施設であること。
・施設内の温度、湿度、二酸化炭素などを常時モニタリングできること。
・モニタリング結果を基に温室内環境の制御に取り組むこと。

2 「あいち型植物工場技術」の開発(試験研究)
(1)あいち型植物工場技術マニュアルの作成
県農業総合試験場は、農業団体、民間企業と共同で、作物の生育を促進させて収量増を実現するための温湿度管理、炭酸ガス施用技術などを組み合わせた施設内環境の最適化を図る技術の実証展示を行い、トマトで慣行レベルの倍量となる40t/10aの収量を実現した。
そして、生産者が、既存の施設を利用して実情に応じた最適な設備投資による収量増を実現できるように「あいち型植物工場マニュアル(トマト編)」を作成し公表した。
(2)環境測定装置「あぐりログ」の開発
施設内環境の最適化を図るためには、作物の生育に必要な温度、湿度、二酸化炭素などの環境状態を把握することが必要となる。そこで、県農業総合試験場とIT企業が共同で、センサー技術により施設内の環境情報をいつでも把握、閲覧できる環境測定装置「あぐりログ」を開発し、スマートフォン等を活用して簡単に利用できるシステムとして県内を中心に普及を進めている。

3 「あいち型植物工場」導入のための事業創設(行政)
(1)プロジェクトチームによる推進
愛知県では、農林水産行政の基本方針となる「食と緑の基本計画2020」を平成28年3月に策定し、重点プロジェクトのひとつに「あいちの施設園芸高度化プロジェクト」を位置づけ、「あいち型植物工場」技術の産地への導入促進を図ることとした。このプロジェクトを推進するために、県と農業団体によるプロジェクトチームを設置し、関係機関が一体となった技術の普及加速化を図っている。
(2)あいち型植物工場推進事業
平成28年度に「あいち型植物工場推進事業」を創設し、県内の主要な品目の産地へ「あいち型植物工場」の導入を進めている。
○対象作物
トマト、ミニトマト、いちご、なす、きゅうり、きく、スプレーマム、バラ、大葉、ハウスみかん
○事業内容
・既存施設において、ICTを活用した温度、湿度、二酸化炭素などの環境測定装置及び最適な生育環境に制御するための装置の導入など、施設の高度化に要する経費に対し補助をする。
・主な品目や産地ごとに生産者をグループ化し、環境測定装置により「見える化」されたデータの共有を進める。
・「見える化」された環境データ等に基づく栽培管理技術の確立を支援する。
・ 新たな栽培管理技術を産地で共有し、産地全体の生産性向上を図る。

4 技術の産地普及(普及指導)
施設園芸先進国のオランダでは、生産者同士が情報を共有しながら技術向上を図る研究会活動が活発に行われ、大きな成果を上げている。
「あいち型植物工場推進事業」では、事業実施主体となる生産者グループが効果的に研究会活動を行うために、地域の農業改良普及指導員やJA営農指導員等の指導者が「見える化」した環境データを共有して技術改善に取り組むこととを事業の要件としている。
現在、28の生産者グループが地域の指導者と施設内の環境データを共有しながら、生育環境の最適化に向けた取り組みを進めており、こうした取り組みを産地全体に広げることで、産地のさらなる競争力強化を図っていく。
事業推進イメージ
事業推進イメージ
本件問合先 園芸農産課 野菜・果樹グループ
052-954-6418
engei@pref.aichi.lg.jp