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タイトル 熊本の宝を後世に残す「被災文化財復旧支援制度」の創設
施策・事業名称 平成28年熊本地震災害復旧事業(補助事業・文化財ドクター派遣事業・文化財レスキュー事業)
都道府県名 熊本県
分野 教育・文化
事業実施期間 平成28年4月14日~
施策のポイント ・被災文化財復旧に係る民間所有者の負担軽減のための民間からの寄附金を財源とする補助制度を創設。
・指定文化財から未指定文化財で歴史的価値のある町屋などの歴史的建造物や屏風や甲冑などの動産文化財に至るまでの切れ目なく手厚い支援の枠組みを整備(全国初)。
・文化財ドクター派遣事業により、熊本地震で被災した一定の歴史的価値を有する建造物の保存を支援。
・文化財レスキュー事業により、損壊建物の撤去等により滅失の危機にある動産文化財を救出し、応急措置を行い所有者へ返却。
内容 ■民間所有者の負担軽減のための補助制度
・熊本地震で熊本城などの国指定文化財から、歴史的価値のある未指定の文化財まで数多くの文化財が被災。
・そうした状況を受け、地元経済界を中心に募金活動が本格化し、その募金を財源とした「平成28年熊本地震被災文化財等復旧復興基金」を平成28年10月に設置。
・平成29年2月に、文化財復旧に係る民間所有者の負担を軽減し、復旧を促進するため、同基金による補助制度を創設。
・民間所有者の自己負担軽減のため、従前からの公的補助がある指定文化財及び登録文化財(設計費)については1/2を、公的補助がない登録文化財(工事費)及び未指定文化財(歴史的建造物・動産文化財)については最大2/3を補助。
・寄附金活用先としての指定がある阿蘇神社については、寄附者の意向を尊重し、特例として補助率を10/10(通常1/2)。
・指定文化財から未指定文化財で歴史的価値のある町屋などの歴史的建造物、屏風や甲冑などの動産文化財に至るまでを対象とする切れ目なく手厚い支援の枠組みを整備。
・この未指定文化財までを対象とする補助制度創設は、全国初となる取組みであり、今後起こり得る災害への備えともなる。
■熊本城への補助
・熊本城復旧関係工事に充当された起債の元利償還金に係る熊本市の実負担額を対象とする財政支援を実施(補助率10/10)
■文化財ドクター派遣事業
・熊本地震で被災した一定の歴史的価値を有する建造物の保存に向け、民間所有者に対する復旧費の補助制度を創設。
・県内外の専門的な建築士や市町村と所有者への個別訪問を行い、補助制度の周知や歴史的価値を損なわない工法・概算額提示等の技術的支援を実施。
・数次にわたる個別訪問により、歴史的価値を有する建造物の所有者の保存意向が、3割から8割に激増し、令和4年度末現在で、対象建造物157件のうち、129件の建造物が保存意向。
・国登録有形文化財になることへの同意が得られた場合、補助率を1/2から2/3に嵩上げし、文化財の保存・活用のための登録文化財化も支援。
・保存意向が示された129件のうち68件が登録文化財化に同意。
・平成30年度以降も継続して事業を実施。

■文化財レスキュー事業
・熊本地震で被災した動産文化財(仏像、屏風、甲冑等)の保全を目的に、損壊建造物の撤去等に伴い滅失の危機にある貴重な文化財を救出し、一時保管したうえで整理作業を行い所有者へ返却するもの。
・平成28年度は文化庁が実施主体であったが、平成29年度からは県が主体となり事業を実施。
・平成30年度末までに47件の家屋から39,333点の動産文化財を救出した。
・救出後は、所有者返却への準備として、クリーニング・台帳作成等の整理作業を実施。
・一般市民を対象とした文化財の扱い方の基本を学ぶ市民サポーター養成講座を開催し、文化財保護についての啓発を図った。
・所有者の受入れ態勢が整ったところから順次返却し、令和3年度末時点で47件(39,333点)全件の返却が完了。
・被災した動産文化財の中から歴史的価値が高く、指定文化財となり得るものを選定し、復旧に対する補助(補助率2/3)を行うこととしており、復旧と併せ文化財の保存・活用のための指定化も支援。補助制度を活用した8件38点の市町村指定文化財化を推進。

今後、熊本地震を契機に創設した補助制度を活用して、歴史的価値のある未指定文化財の登録文化財化、指定文化財化を進め、熊本の宝を後世に残すための取組みを推進。
本件問合先 熊本県教育庁教育総務局文化課
096-333-2704
bunka@pref.kumamoto.lg.jp