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タイトル 地域医療の担い手育成に向けた県立病院と県立高校の連携
施策・事業名称 地域医療の担い手育成に向けた県立病院と県立高校の連携
都道府県名 三重県
分野 健康福祉
教育・文化
事業実施期間 令和元年10月1日~
施策のポイント ◎今後、他の教育機関や医療機関等との連携も可能な取組です。

◎地域医療の担い手の「数」を増やすこと以上に、「質」を高めることをめざしています。

◎「読書」と「現場」の両輪で、教育と医療の橋渡しをします。
内容 <取組概要>
三重県では、医師・看護師の確保と地域偏在が課題となっている。将来地域医療に携わる職業を目指すにあたっては自身の死生観や人生観について考えを深めることが重要だが、特に県立の進学校は授業進度が速く、生徒が受験対策に忙しくなりがちである。
そこで、津市で地域医療を担う一志病院と、医学部等への進学者を多数輩出する津高校が連携し、読書を通じて医療について考える機会や、現場で働くスタッフの思いに触れる場の創出を図った。具体的には、(1)本棚企画(一志病院の各専門職が選んだ書籍を津高図書館へ配置)、(2)病院及び訪問診療・訪問看護の見学、(3)医師講演、(4)院長と津高生の対談を実施することとなった。
その結果、本棚設置後すぐに本を借りる生徒が現れ、病院見学には想定を上回る応募があり、2回目・3回目の見学を開催することとなった。また、医師講演には約50人の生徒が参加し、感想文から、充実した学びの場となったことが窺えた。

<現状や課題、設定した目標>
地域医療を担う人材の育成は、短期的には医学生や看護学生、研修医の育成が重要ですが、中長期的には、高校生の段階から、地域医療に携わる人材に求められる感性や人格の形成を図っていくことが重要であると考えられます。
一志病院は、医学生や看護学生、研修医の受け入れに加え、中高生の総合学習や一日体験などの受け入れも行っていますが、より積極的に高校生への情報発信等を行いたいと考えていました。
また、津高校は、進路について考える機会を生徒に提供することが重要であると捉え様々な取組を行っていますが、現場との直接的なつながりを持つことで、生徒が地域医療をより身近に感じることができると考えました。

<取組の検討プロセス、改善点等>
津高校図書館では近年、発展途上国の課題に関するコーナーや、三重県の地域課題の解決に関するコーナーなど、授業や研究活動の役に立つコーナーの創設や企画展、図書の紹介等を行い、館内の改革を積極的に進めています。そこに着眼した一志病院の職員(津高校卒業生)と、津高校図書館の学校司書が話し合い、企画を考案しました。それぞれの関係部門の長、院長・校長へと話が進み、本棚企画や講演等の実施が決定しました。
本の選者については、一志病院の常勤医師全員に加え、看護師や薬剤師などで読書好きのベテラン職員に声を掛けました。本の分野は地域医療に限定せず、人生や人間関係、自然科学などに関するものであれば幅広く可とし、職業教育に役立ちそうなものに限り漫画も一部可としました。
そして、本の選者たちが実際に働いている姿を病院見学で見られるようにすることで、本と現実の橋渡しを試みました。さらに、一般的な病院見学だけではなく、一志病院の特徴である患者様宅への訪問診療・訪問看護や、津市等と連携した多職種連携の「地域ケア会議」などを見学できるよう調整し、「病気ではなく人を診る」一志病院の取組を直接感じていただけるよう工夫しました。

<効果、成果>
(1)本棚企画:一志病院職員が選書し、本の紹介カードを手書きで作成。また、院長、看護部長からのメッセージや、医療を学べる大学、県の施策等の資料も展示。
(2)病院見学:想定を上回る19名の応募があり、2回目、3回目の見学を実施することとなりました。高校生が訪問看護に同行するのは初めて。
(3)医師講演:津高の生徒・教員約50名が参加。地域医療について学び、一志病院を身近に感じてもらう機会となりました。
(4)院長と津高生の対談:3月に開催。生徒の関心に応じ院長と対談。
(5)今後の展開:本棚企画第二弾などを構想中。

<工夫した点や苦労した点>
本棚企画では、選書した一志病院の医師らを生徒が身近に感じられるよう、顔写真と手書きのカードを作りました。また、医師講演は自由参加のため、できるだけ多くの生徒に参加してもらえるよう、漫画のイラスト(著作権確認済み)を入れたチラシを作成しました。
本件問合先 三重県立一志病院 運営調整部 総務課
059-262-0600
ihos@pref.mie.lg.jp