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タイトル | 地域社会と学校教育との協働の推進 |
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施策・事業名称 | 地域と学校の協働による「みやぎらしい協働教育推進事業」 |
都道府県名 | 宮城県 |
分野 | 教育・文化 |
内容 |
1 目的と概要 (1)目的 みやぎらしい協働教育は,社会の中でたくましく生きる子どもたちを地域全体で育むために,地域と学校をつなぐ仕組みをつくり,地域と学校が協働した教育活動を展開する取組みである。 この取組みをとおし,地域全体で子どもたちを育むとともに,地域の教育力の向上と,学校教育の更なる充実を図っていく。 (2)概要 地域と学校が共に手をたずさえて教育の充実を図るために,県・市町村・学校区に地域社会と学校の協働を支える組織を構築し,モデル地区での教育実践を展開して協働のあり方を模索する。4年間の実践検証の中で,地域社会と学校教育の協働のあり方を検討し,今後の方向性を見出していく。また,市町村と県が一体となり全県をあげて,協働教育推進の気運の醸成を図る。 (3)みやぎらしい協働教育を推進する背景 ア 子どもたちを取巻く新たな教育課題の噴出 イ 都市化,核家族化,少子・高齢化などの地域社会の環境変化等による地域の教育力の低下 ウ 地域で子どもを育てることへの住民の意識不足と,教育に対する地域全体での下支え意識の不足 エ 地域と学校の協働に組織的に取組んでいる地域が少ないことと,広がりと継続性の不足 オ 新しい教育課題への対応等で多忙を極める学校への地域支援の必要性 カ 県民満足度調査に表れた,県民の協働推進への期待 〔第5回県民満足度調査結果〕 ・「個性・創造性・豊かな心を培う教育の推進」重視度:80点 満足度:50点乖離 ・教育7施策中「地域社会と学校教育との協働の推進」優先度第1位(一般県民,有識者とも) 2 H19年度事業概要 【みやぎらしい協働教育推進事業】 社会の中でたくましく生きる子どもたちを地域全体で育むために,地域と学校をつなぐ仕組みをつくり,地域と学校が協働した教育活動を展開する。 コラボスクール推進事業(14市町,20小学校区),起業教育推進事業(7中学校区)で,地域と学校をつなぐ仕組みをつくり,地域と学校の協働によるモデル実践を展開するとともに,各種研修会の開催や情報提供等により,協働推進気運の醸成を図り,協働の取組を県全体に広める。 (1)協働推進事業 (H17~H20) ア 宮城県協働教育振興会議の開催(7月,1月) 知事(議長),県教育長,学識経験者,市町村長等 イ 協働推進検討会議の開催(8回) 協働モデル事業の成果の検証,協働の今後の方向性の検討 ウ 協働推進市町村ネットワーク会議の開催(11月)全市町村社会教育担当者対象 エ 協働教育研修会の開催 各教育事務所(7事務所)毎開催 オ 普及啓発・情報提供事業 ・ 各種会議等での事業PR,啓発 ・ 教職員研修への位置づけ「協働教育の必要性」 ・ 県PTA連合会等関係団体との連携 ・ HP(協働教育全般,協働実践など),各種広報誌での特集など ・ 報道機関を通じた広報活動 (2)コラボスクール推進事業 (H17~H20) ア 地域と学校をつなぐ組織の構築 市町村,学校区組織 (市町村へ委託) イ コラボスクール実践委託事業 (市町村へ委託:1市町村への委託は2年間) ・H17年度:11市町村(13小学校) ・H18年度:20市町村(25小学校) ・H19年度:14市町村(20小学校) ・H20年度: 5市町村 (3)起業教育推進事業(H17~H19) ア 起業教育実践見学会 イ 起業教育実践補助事業 ・ H17年度:研究会の設立と次年度からの実践計画 ・ H18,19年度:研究会の運営と中学校での実践 (県内7中学校) 3 協働を支える組織 地域と学校の協働による教育活動を支える組織を,県・市町村・学校区に組織し推進していく。 (1)「宮城県協働教育振興会議」(県レベルの組織) ◎ 県全体の協働教育推進の方向性について意見交換をする組織 【何をするか】 ・ 「家庭・地域と学校の協働教育推進」の方向性についての意見交換 ・ 協働推進気運の醸成(一般行政と教育行政が一体となり,地域を動かし学校を支援することの必要性を県自ら示す。市町村でも同様の動きがでるよう働きかける。) 【メンバー】メンバー12名 (H19年7月2日現在) 宮城県知事 村井 嘉浩(議長) 栗原市長 佐藤 勇 蔵王町長 村上 英人 宮城教育大学名誉教授 横須賀 薫 東北学院大学教授 水谷 修 宮城県PTA連合会長 櫻中 辰則 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 上野 裕子 お父さんたちのネットワーク世話人 石垣 政裕 仙台市教育委員会教育長 荒井 崇 岩沼市教育委員会教育長 影山 一郎 大和町教育委員会教育長 堀籠 美子 宮城県教育委員会教育長 佐々木 義昭(副議長) 【開催】(年2回) 平成19年7月31日 ,平成20年1月下旬 (2)「市町村コラボスクール支援協議会」(市町村レベルの組織) ◎ 市町村の協働推進の企画,運営をし,各学校区の活動を支える組織 【何をするか】 ・ 市町全体での協働推進気運の醸成(一般行政の下支えを中心に) ・ 各学校区の取り組みの調整(目標・方向性の確認,予算) 【メンバー】(5~10名程度) 市町村長,教育長,地域団体の代表等(区長会,市・町P連,各団体長) (3)「小学校区コラボスクール推進協議会」「起業教育研究会」(学校区で協働を支える組織) ◎ 地域全体で子どもを育てる視点で,学校と協議しながら,学校と協働した教育活動をする組織 【何をするか】 ・ 協働による教育活動をコーディネートする ・ 地域の教育資源を学校の教育活動の中へ位置づける(地域の産業,伝統芸能等) ・ 学校を支援する団体等の総合窓口(地域の各団体等との交渉) 【メンバー】(5~10名程度) 学校担当者,地区の行政担当者,地域団体の代表等(区長,PTA,各団体) ※「起業教育研究会」は起業教育の実践を核にして,上記の役割を担う。 (4)今後の方向について 本事業では,モデル地区について協働を支える組織を立ち上げるが,将来的には全市町村,全学校区に同様の組織を立ち上げることを目指し,宮城県全域で,恒常的に,地域社会と学校が協働した教育活動が展開され,地域の中で子どもたちをしっかり育成する体制づくりを行っていく。 4 起業教育について (1)起業教育とは? 起業教育とは,社会の中でたくましく生きる子どもを育成するために,社会における経済活動を教材とし,地域社会と学校が協働して行う体験的な教育活動をいう。 起業教育では,子どもたちが自ら課題に挑戦し,成功や失敗体験を通じてチャレンジ精神や積極性,判断力やコミュニケーション力等の能力が育まれ,社会人・職業人としての自立に向けた「生きる力」が培われる。 また,社会・経済の仕組みを学ぶと同時に,地域の産業や歴史について理解を深めることができる学習活動である。 (2)起業教育推進事業で目指す姿 ア 起業教育の普及 7つの中学校区での実践や起業教育実践見学会等を通じて,起業教育という教育モデルの普及啓発が図られ,多くの学校で起業教育の実践が展開されることを目指している。 イ 地域と学校の協働の推進 地域と学校の協働を推進するという点では,起業教育を推進するために協働を支える組織が構築され,社会の中でたくましく生きる子どもたちを育てるための体制がつくられる。 (3)起業教育推進の背景 ア 社会人・職業人としての自立に向けた,生きる力を育てる必要性 イ 起業教育の全県への普及と継続的な実践に向けての体制づくりの必要性 (優れた実践として全国から注目されている宮城県での起業教育が県内では普及していない) (4)波及効果 ア 教育現場へのメリット (ア) 仕事の根本から体験することで,実社会で実践できる「生きる力」が身につく。 (イ) 地域のマンパワーや企業やNPOのノウハウや素材の活用が容易となり,新たな教育課題への対応等で,時間・人的な環境が飽和状態にある学校現場の状況を打開できる。 イ 地域へのメリット (ア) 地域に生きる一員として地域理解と郷土愛を有し,地域の将来を担う人材の育成につながる。 (イ) 学校を中心とした地域住民間や企業・NPO等の継続的な連携体制が構築され,コミュニティの再構築や地域振興・地域産業振興・活性化につながる。 ハ 生涯学習の場である地域活動の中で,住民が活発に行動することで地域の教育力の向上が図れる。 (5)起業教育の現状 将来の目標を失い,働く意義を見出すことができない若者たちが増え,無業者や失業者等の増加が社会問題となっている中,学校段階から社会人・職業人としての自立へ向けた教育が必要とされている。その教育手段として,キャリア教育や起業教育が全国的に展開されつつある。 宮城県での起業教育の実践は,優れた実践として全国から注目されているが,一部の学校,地域での実践にとどまっており,全県への普及と地域で継続的に実践を行っていく体制づくりが必要である。 県教育委員会では,平成17年度から県教育庁重点施策として起業教育の推進に取組み始めた。県内7中学校区に,地域と学校の協働を支える組 織である「起業教育研究会」が設置され,7中学校区で起業教育実践が展開されている。 |
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