令和元年07月 吉村 洋文 大阪府知事
このたび、大阪府知事に就任しました吉村洋文です。
私の政治信条は、大阪を東京と並んで日本の成長をけん引する存在にすることで、そのため、挑戦を続けてきました。その最も大きな目標が、大阪府と大阪市を一体化し、成長を目指す大阪都構想の 実現ですが、この論はまた別の機会に譲ることとします。
大阪では大阪府・市で成長戦略を一元化し、この戦略のもと連携して、これまで取組を進めてきました。その結果、世界からの来訪者が大きく増え、景況感も回復するなど明るい兆しが見えてきました。また、「G20大阪サミット」や2025年の「大阪・関西万博」など世界が注目するビッグイベントが次々と続きます。加えて、この7月には「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産として登録されました。こうした上昇気流を逃すことなく、「世界最高水準の成長型IR」も実現させ、途切れることのない成長・発展の流れをつくっていきたいと思います。
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仁徳天皇陵古墳(上空から)[提供:堺市] | 古市古墳群(南西から)[提供:羽曳野市] |
この6月末に開催された「G20大阪サミット」では、37の国と国際機関のトップをはじめ、海外から多くの方に大阪へ訪問いただきました。このような世界最高レベルの国際会議の開催を成功裏に終わらせることができ、都市としての大阪の実力を世界に示すよい契機になったと考えています。
次は、2025年の「大阪・関西万博」です。サミット成功のバトンを着実につなぎ、お年寄りから子どもまで、みんながワクワクする万博にしたいと思いますので、ご期待ください。
1970年の大阪万博では6,400万人もの来場者を集め、「月の石」が人々に宇宙への憧れと感動を与えました。2025年の万博では、JAXAが火星の生中継を検討中とのことですが、実現すれば宇宙への夢を再びかきたててくれるでしょう。ITなどの先端技術で万博来場者がさまざまな未来のくらしを体験できる、これまでに類を見ないインパクトのある万博にしたいと思います。
万博会場イメージ図[提供:経済産業省]
大阪には、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」と関連の深い、健康・ライフサイエンス関連産業が集積しています。創薬分野を中心としたベンチャー企業が立地する「彩都」、健康・医療分野の研究機関や企業が集まる「健都」、再生医療をベースとした未来医療の実用化を推進する「中之島」など、世界的なクラスターの形成をめざしています。こうした強みを最大限に活かしてイノベーションを促進し、健康寿命の延伸などにより、誰もがいきいきと長く活躍できる「10歳若返り」を実現していきたいと思います。さらに、こうした取組を通じて、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献していきたいと考えています。
あわせて、万博を見据え、また、超高齢化社会において持続可能で快適に生活できる社会の構築に向け、特に力を入れたいのが「スマートシティ」の実現です。民間の発想を取り入れながら、自動運転をはじめとする先進技術の実装やICTにより、都市問題の解決や住民サービス向上の取組を進め、「生活の質が飛躍的に向上した」、「最先端技術をやるなら大阪で」と言ってもらえるような、大阪モデルのスマートシティの確立をめざします。
大阪の成長と豊かな住民生活の実現のために全力で走りぬく覚悟です。どうぞよろしくお願いいたします。