越中福岡の菅笠製作技術、国の重要無形民俗文化財に

 富山県高岡市福岡町で400年以上にわたって受け継がれている菅笠作りが、「越中福岡の菅笠製作技術」として国の重要無形民俗文化財に指定されることになりました。これにより、県内の国重要無形民俗文化財は六件となりましたが、民俗技術の分野での指定は初めてです。
 菅笠とは、スゲを使って製作される笠で、現在では民謡踊り用の花笠、富士笠、三度笠などが製品として知られていますが、同町の菅笠生産は室町時代にまでさかのぼるとも言われています。江戸時代前期には加賀藩の奨励を受けて生産が本格化し、最盛期の幕末には年間210万蓋(枚)が出荷された記録も残っています。また、本州日本海側に点々と見られた菅笠の製作地にも製作面で影響を与えたとされます。
 その特徴は、原料となるスゲの栽培から笠骨作り、笠縫い、仕上げ、出荷までの全工程が集約的に行われることや、笠骨作りを男性が、笠縫い作業は女性が担うというように一連の作業が効率的な分業方式で、すべて手作業で行われることです。伝統的な菅笠製作技術がよく伝えられており、国内の笠の製作技術、特に縫い笠の製作技術を考える上で重要と評価されました。
 戦後、生産量は減ったものの、現在も全国シェアの九割以上を占めており、小学校での体験教室など、技術の伝承と後継者を育成する活動も行われています。
【お問い合わせ】
富山県教育委員会生涯学習・文化財室
電話番号 076-444-3456

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(写真提供:高岡市教育委員会)