山間地域にヘリポートが完成しました。
愛知県は県土の3分の1を三河山間地域が占めています。この三河山間地域では、人口減少・超高齢社会の到来による財政基盤・地域経済の弱体化が懸念され、地域住民が安心して暮らしていける生活環境を確保していくことが求められています。
特に医療分野においては、三河山間地域では、へき地医療拠点病院として3病院が指定されておりますが、いずれの病院においても医師の確保が難しくなってきています。診療科目によっては休診や救急患者の夜間受入れができないなどの問題が生じていることから、近隣の病院まで患者を搬送することが増加しており、搬送時間も長時間を要しています。愛知県ではドクターヘリの運行を支援し、患者に応急措置を行うとともに医療機関に短時間で搬送し、救命率の向上を図っています。また、ドクターヘリが運行できない夜間については、県防災航空隊ヘリコプターが救急搬送の一翼を担っています。
こうした現状を踏まえ、三河山間地域の全域において、ヘリコプターを活用した高度搬送体制が24時間運用できるよう、夜間照明設備を設置した場外離着陸場(ヘリポート)の整備を地元と協力し進めてきたところですが、このたび、三河山間地域に所在する東栄町の町立東栄中学校の敷地内にヘリポートが完成しました。
3月24日にヘリポートの竣工式が開催され、あわせて、ヘリコプターを使用した救急搬送の訓練を実施しました。訓練では、県防災ヘリ、県警ヘリ、名古屋市消防ヘリによる離着陸訓練、県防災ヘリによる夜間離着陸訓練、救急車から防災ヘリへの患者引渡し及び医師・患者搬送訓練が行われました。
21年度には、同じく三河山間地域に所在する設楽町に夜間照明を備えたヘリポートが建設されます。ヘリコプターによる救急搬送の需要が増加する中、山間地域での対応力を強化し、24時間体制で住民の安全・安心を守っていきたいと考えています。
防災ヘリによる夜間離着陸訓練