まちなかに大学連携のサテライトキャンパスが登場
福井県には、八つの大学、短大、高等専門学校があり、約12,000人の学生が学んでいます。平成19年に、これらの高等教育機関がすべて参加して「福井県大学連携リーグ」を発足させ、互いに知識や技術の交流を深め合いながら、研究レベルの向上、人材育成、地域貢献を進める活動を行っています。
この活動の一環として、今年6月、福井市中心部の複合施設「アオッサ」に、共通の学習拠点となるサテライトキャンパスを開設しました。
大学キャンパスでの公開講座等では付近の住民の参加が多くなりがちですが、サテライトキャンパスでは、交通の便のよいまちなかで、一度にいろんな大学の講座を受けることができるというメリットがあります。
大勢の学生や社会人が集うサテライトキャンパスを舞台に、各大学等がそれぞれの研究や教育の特色を活かし、相互に協力して多彩な教育活動に取り組むことにより、あたかも一つの総合大学のような環境が生まれることが期待されます。
現在、夜間や土日、夏休みなどに、学生や一般の県民を対象とする「連携企画講座」と高校生向けの「高大連携授業」が行われています。
「連携企画講座」は、各教育機関の複数の教員が参加して、一つのテーマのもとでさまざまな切り口からリレー方式で講義を行うものであり、今年度は「ふくいの元気・健康長寿学」など10テーマで講座が開かれます。
7月に開講した「ふくい観光学」では、西川知事が「ふくいふるさと学」と題して、現代におけるふるさとの意義や、福井県の提唱で始まった「ふるさと納税」などの施策について講義しました。
また、「高大連携授業」は、高校生に幅広い大学の講義を体験してもらい、さまざまな学問への興味を高め、進路選択の参考としてもらおうというものです。
これらの講座等の受講生は、既に1,000人を超えており、大学等が身近に感じられるようになったとの感想も寄せられています。今後は、講座内容の充実や単位化などにより総合大学的な機能を更に強化していく予定であり、福井のまちなかの活性化にもつながることが期待されています。