「孫文・梅屋庄吉と長崎」プロジェクト~日中友好・辛亥革命100周年の取組~

 中国は、今年10月、清朝が倒れアジア最初の共和国である中華民国が成立した「辛亥革命」から100年を迎えます。
 この革命を指導し、中華民国の初代臨時大総統となった孫文。その孫文を物心両面で支え続けたのが梅屋庄吉です。
 梅屋庄吉は、1868年(明治元年)長崎市に生まれました。現在の日活の前身である日本活動写真株式会社の創立者の一人である梅屋は、1895年、自らが経営していた香港の写真館で孫文と出会い、革命にかける熱い情熱を知ることとなります。そして、「君は兵を挙げたまえ、我は財を挙げて支援す」との盟約を結びます。名声や地位の見返りを求めず、現在の金額で1兆円とも言われる巨額の支援を行い、革命を陰から支えました。
 孫文の死後も、孫文の偉業を後世に伝えるため中国に孫文の像を贈るなど、生涯日本と中国の友好親善の懸け橋とならんと力を尽くしました。
 長崎県では、約100年前の二人の関係に光を当てた「孫文・梅屋庄吉と長崎」プロジェクトを展開しています。
 このプロジェクトは、孫文と梅屋庄吉の人物像や歴史的つながり、また長崎との関係を顕在化するとともに、その功績を広く世に紹介することで本県のイメージアップを図り、国内外からの交流人口の拡大につなげようとするものです。
 10月からは、半年間にわたり長崎歴史文化博物館で日中共同による特別企画展を開催するほか、中国の博物館での長崎の歴史や文化等を紹介するコーナーの設置、パンフレットの作成・配布や梅屋像の設置など多彩な事業を各部署が連携を図り、一体となって推進しています。

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梅屋庄吉・トク夫妻と孫文(写真提供:小坂文乃氏)