静岡の茶を世界に向けて発信-茶草場が育む豊かな自然-
静岡県は産出額で全国の4割を占める日本一のお茶の生産県です。県内の主要な茶産地である掛川市など周辺5市町は、「静岡の茶草場」の世界農業遺産認定を目指しています。
世界農業遺産は、伝統農法と文化を有する、世界的に重要な農業上の土地利用、景観、生物多様性を次世代に継承する目的で、国連食糧農業機関が2002年から認定しています。
茶草場とは、茶園の周辺にある採草地で、申請地域では秋から冬にかけて農家がススキやササなどを刈り取り、茶園の畝間に敷く古くからの農法を続けています。作業に手間のかかることや化学肥料の普及などで昔に比べれば茶草場は減少しているものの、申請地域内には約300haが今も残っています。茶草場には、秋の七草のキキョウ、カワラナデシコなど繁殖力の弱い植物も生育し、フジタイゲキやカケガワフキバッタなどの希少種を含む多様な動植物の生存が確認されています。
また、放牧や野焼きに依存せずに人の手によって採草地が管理されており、日本の伝統的な土地利用を今に残すものです。
世界農業遺産に認定されると、茶の付加価値向上、グリーンツーリズムの振興など、地域の創意工夫による活用が考えられます。さらに認定が誇りとなり、地域に定着する若者が増えることが期待されます。
今年、5月29日から石川県で開催される国際会議で審議され認定の可否が決まります。良質な茶生産によって人も生き物も幸せになる、その力を持つ静岡の茶を世界に向けて発信し、「山は富士 お茶は静岡 茶の都」をアピールしてまいります。
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静岡県経済産業部茶業農産課
電話番号054-202-1488