トキのヒナ誕生から1年
昨年4月から5月にかけて、36年ぶりに佐渡の自然の中で誕生した8羽のトキのヒナは、38年ぶりに無事巣立ち、地域の方々に温かく見守られています。
一度自然界で絶滅したトキは、平成11年、中国から寄贈されたペアによる人工繁殖に成功し、施設での飼育数は179羽、これまでに自然界に108羽を放鳥し、75羽の生息が確認されています。(平成25年3月現在)
今後更に増えていくことが予想される野生下のトキのため、佐渡市では地元のNPO団体などとも協力し、餌場となるビオトープの造成・整備といった環境保全活動に取り組んでいます。作業の担い手として首都圏の学生ボランティアなどと協力し、地域住民との交流も深める仕組みづくりも進めており、こうした環境保全活動は、トキ交流会館(佐渡市新穂潟上)に必要な用具一式を整備し、希望する方は誰でも体験できるようになっています。
平成23年には、「トキと共生する佐渡の里山」がFAO(国連食糧農業機関)の世界農業遺産(GIAHS)に登録され、減農薬・減化学肥料など生きものを育む農法により栽培された佐渡産コシヒカリを佐渡市が認証する「朱鷺と暮らす郷米」認証制度により、多くの農家が認証米の生産に取り組んでいます。
また、観光で佐渡を訪れる方のため、トキの生態や佐渡の自然などをお伝えするボランティアガイドの養成や、野生のトキを観察する際のルールづくりなどを地域で進めています。
春は、トキの繁殖シーズンとなり、現在、昨年より20羽ほど多い67羽の繁殖可能な個体の野生下での生息が確認されていますので、昨年以上のヒナの誕生、巣立ちへの期待が膨らんでいるところです。
3月には新たにガラス越しに2cmまで近づいてトキを観察できる「トキふれあいプラザ」も完成しました。是非トキに会いに佐渡においでください。野生のトキが舞う姿にも出会えるかもしれません。
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新潟県県民生活・環境部環境企画課
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